
「国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話」江戸東京博物館にて2020年11月21日(土)〜2021年4月4日(日)まで開催
Written by MACHIDA Akemi
天地創造の神話に焦点を当てた古代エジプト展
ベルリン国立博物館群のエジプト博物館から出展される「古代エジプト展 天地創造の神話」が2020年11月21日(土)〜 2021年4月4日(日)まで、江戸東京博物館にて開催されます。ベルリン国立博物館は、ロンドンの大英博物館、パリのルーヴル美術館などと並ぶ世界有数の総合博物館ですが、その膨大なコレクションの中から「天地創造の神話」をテーマに、約130点の名品が展示されます。
構成は、「天地創造と神々の世界」「ファラオと宇宙の秩序」「死後の審判」からなる今まで数多く開催されてきたエジプト展とは異なる趣向のもので、古代エジプトの神話に焦点を当てた展覧会です。長さ4メートルを超える『タレメチュエンバステトの「死者の書」』や、細かな装飾が施された『タイレトカプの人型木棺(内棺)』など100点以上が日本初公開となる点も見逃せません。

ミイラ・マスクや像や陶磁器など、展示品の造形美も見どころです。絶世の美女だったと思わせる『ネフェルティティ王妃あるいは王女の頭部』の彫刻や、前方を見据えて座る猫の姿をした『バステト女神座像』などリアルな作りで高貴さや威厳も感じます。猫は、古代エジプトでは神の化身として崇拝され大切にされていました。


アヌビス神(黒い犬)や古代エジプトのシンボル、ウジャトの眼などが描かれた『パレメチュシグのミイラ・マスク』を見ると、古代エジプト人は現代の人と変わらない装飾の技術を持っていて、もしかしたら現代人以上に優れた技術を持っていたのかもしれないと思わせます。

スカラベを描いた胸飾りも展示されます。スカラベは、古代エジプトでは、太陽の神として崇拝され、再生と復活の象徴とされていました。現在もスカラベのモチーフは、世界中のジュエリーブランドで使用される人気のあるモチーフです。

約5000年前に始まった古代エジプト時代では、世界はどのように始まったと考えられていたのでしょう。日本の創世神話との意外な共通点もあり驚かされます。人間社会の王だったファラオの役割とはどんなものだったのか、また死後の世界について古代エジプト人は何を信じていたのでしょう。ベルリンから届いた貴重な作品を鑑賞しながら、じっくりと考えさせられる展覧会です。



江戸東京博物館
2020年11月21日(土)〜2021年4月4日(日)
東京都墨田区横網1-4-1
TEL 03-3626-9974(代表)
開館時間、入場料などの詳細は、美術館のウェブサイトをご覧ください。
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