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No.52 東京オリンピックで進化するサステナビリティ

BJI ブログ No.52

コロナ禍で1年延期となった東京オリンピック、賛否両論がある中でついに7月23日その幕を開けます。世界のアスリートたちの活躍が、今のトーンダウンした気分を少しでもあげてくれる起爆剤となってくれることを願うばかりです。

ところで、オリンピックでみんなが注目するメダルの素材は何なのか、考えたことはありますか? かつて「純金」だった金メダル、現在では金は銀に金メッキをしたもので、銀、銅はそのままの素材を使っているということを聞いたことがありました。

ではどうして銀製になったのか? その理由は二つあります。

一つ目は、1912年の夏のストックホルムオリンピックまでは純金が使われていたのですが、その後オリンピックの種目が増えていき、合わせて生産するメダルの数も増えることにより純金で制作することがむずかしくなったため。

二つ目は開催国の経済力に差があるので「開催国の負担を減らすため」だということです。

ところで、前回のリオオリンピックのメダルはエコをかなり意識しており、使われた銀はリサイクルで集めたもの。金メッキは金の含有量1.2%ときわめて少量だったといわれています。そして首にかけるためのリボンは、ペットボトルなどの再利用の素材が使用されています。

東京オリンピックでは「リサイクル」をさらに進めるべく「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」を立ち上げ、平成31年3月末まで都庁舎において「使われなくなった小型家電の部品」を回収するための「メダル協力ボックス」を設置していました。

日本は天然資源は乏しいのですが、携帯電話、ドライヤー、ゲーム機器などの部品には金、銀、銅をはじめ多くのレアメタルが使われており、使用されなくなった後もそのまま家の押入などに眠ったままになっていることが多く、それは「都市鉱山」と呼ばれています。

今回のメダルは、回収した部品(都市鉱山の一部)から金属を取り出し、2年かけて必要なメダルおよそ5000個分を確保したそうです。

天然の鉱山から金1gを採るためには1t以上の資源(鉱石)が必要で、採った後の鉱石は有害物質と一緒に埋立地に投棄されることが多く、都市鉱山の金属をリサイクルすることで環境への負荷を減らすこともできます。

新宿区ではメダルプロジェクトが終わった今も、使用済小型電子機器等の回収を続けています。私も使わなくなった携帯電話や壊れたDVDレコーダを市の協働センターに設置された回収ボックスに出しに行ったことがありますが、それもまたメダル同様リサイクルされていくのでしょう。

廃棄物を一切出していない今回のオリンピックメダル、アスリートたちの活躍だけではなく、「サステナビリティ」という面も意識して見たいものです。(C)

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