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No.92 欧米の宝石店がミャンマー産ルビーをボイコット。ルビーにおけるトレーサビリティの問題

BJI ブログ No.92

「赤い宝石」と言えば、ルビーを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

以前は「ビルマ」と呼ばれていたミャンマーは、ルビーの産地としてもよく知られています。特に、ピジョンブラッド(鳩の血)と呼ばれる深みのある赤色をしたものは非常に価値が高く、カラーダイヤモンドを除けば世界市場のどの宝石よりもカラットあたりの価格が高くなっています。

2021年11月22日付の『ニューヨーク・タイムズ』によると、政治的紛争と貿易禁輸によりミャンマーのルビーは10年以上にわたって調達が難しい状況で、現在市場に出回っているものは、近隣諸国やモザンビークで採掘された宝石です。宝石業界においてもトレーサビリティ(透明性)が求められる中で、ディーラーには、その宝石がミャンマー産ではないことを示す詳細な文書を提供するよう強く求められています。

世界的に有名な現地調査をメインとする宝石学者ヴィンセント パーデュー氏によると「現在ミャンマーの鉱山ではもはや大粒や品質の高い石を生産しておらず、需要は高いのに、供給は非常に限られている状態。ミャンマー政府は、2016年に採掘ライセンスを停止、今日、市場で見つかっているビルマのルビーの99%は、数十年、さらには数世紀前に採掘されたものです」

さらに、「ルビーは、ミャンマー、タイ、インド、パキスタン、ネパールで発見されているが、何世代にもわたって採掘があまりきちんと管理されておらず、宝石として質の高いルビーの産出量は大幅に減少しています。現在ミャンマーで高品質のルビーを見つけるには、600メートルを超える深さで採掘する必要があり、これはあまり現実的ではない」とも述べています。

パリの宝石ディーラー、Imagemのディレクター、ローラン デック氏は、その希少性に加えて、「ビルマ産ルビーには、カシミール産のサファイアやコロンビア産のエメラルドなどと同じく、歴史的にも特別な魅力があります。モザンビークのルビーもビルマ産に負けないくらい美しいのですが、ビルマ産には多くの伝説があり、それがより価値を高めているのです」と述べています。

モザンビークの鉱床が発見されたのは、2000年代半ばから後半にかけて、ルビー鉱山としては歴史が浅いのだとか。

エリザベス テイラーや英国王室が着用したルビーは「ビルマ産」であり「モザンビーク産」ではない、それが価格にも反映されているそう。

パリの宝石販売店であるフランソワ ガロード氏によると「10カラット以上のビルマ産ルビーの現在の相場は1カラットあたり570万ドルから1140万ドルに相当します。一方、モザンビークの同等のルビーはその10分の1で取引されます」とのこと。

希少価値の高いビルマ産ルビーは、オークションでも高い価格で落札されています。たとえば2021年11月9日、ジュネーヴで開催されたクリスティーズでヴァン クリーフ&アーペルのビルマ産ルビーとダイヤモンドのブローチが417万スイスフラン(450万ドル)で売却されました。これは、見積額60万スイスフランの​​ほぼ7倍にあたります。

これだけビルマ産ルビーの価値が高くなっている一方で、一部の宝石商は、1948年の独立以来、タッマドゥとして知られる軍が市民、特に少数民族を抑圧してきた背景から、ビルマ産ルビーを取り扱わないことを選択しています。米国においても財務省が、4月にミャンマーの鉱業省に関連するいくつかの事業体を「特別指定国」リストに掲載し、米国企業との取引を禁止しました。また2008年から2016年の間、法律によってミャンマーからのルビーが米国に入ることを禁止したこともあります。

しかし、先述のガラード氏は「常に仲介業者がいるため、これらの対策はなんら効果がありません。また、ビルマ産ルビーの最大の市場は中国であり、ミャンマーとの問題はないのです」と語ります。

それでも、消費者が購入する製品の出自と供給する宝石店について透明性を求めるようになっている昨今、ルビーがどこから採掘されたものなのか一部の宝石商にとっては重要な課題となっています。

カルティエのプレステージ部門のクリエイティブディレクターであるジャクリーン カラチランガネ氏は、「当社は、倫理的な理由からビルマからルビーを売買することはありません。現在、ビルマのルビーよりも純粋な結晶と少ない含有物を備えたモザンビークのような新しいソースを探しています」と述べています。

実際、カルティエが2021年6月に発表した「シックス センス」ハイジュエリーコレクションの”ファーンリング”には、4.01カラットのホワイトダイヤモンドの上にタイ産ルビー8.20カラットをセットしています。

ダイヤモンドは、かつてレオナルド ディカプリオ主演で映画にもなった『ブラッドダイヤモンド(紛争ダイヤモンド)』についてさまざまな対策が講じられていることが大々的に報じられていますが、この社会情勢の中ルビーも一部ではありますが、取り組みが行われつつあるようです。

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