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大英図書館による国際巡回展「ハリー・ポッターと魔法の歴史」、兵庫と東京で開催

Written by MACHIDA Akemi

ロンドンからニューヨーク、そしてついに神戸と東京で開催。原作者J.K.ローリングによる日本初公開の直筆原稿やスケッチも紹介。

子供だけでなく大人もワクワクする世界的なベストセラー、「ハリー・ポッター」シリーズ。多くの人を夢中にさせる、その物語の背景にはイギリスをはじめ、世界各国に伝わる魔法、呪文、占いなどがあります。

『ハリー・ポッターと賢者の石』の出版20周年を記念して企画された、大規模な展覧会「ハリー・ポッターと魔法の歴史」が開かれます。イギリスの大英図書館が所蔵する貴重な書籍や資料などを紹介し、ハリー・ポッターの世界の底流にある言い伝えや魔法の歴史を紐解いていきます。

ハリーがホグワーツ魔法魔術学校で学んだ科目に沿って「魔法薬学」「錬金術」「占い学」など10章で構成され、古くは4世紀にまで遡る貴重な資料の数々が展示されます。

「薬草学」の章では、ハリーたちがホグワーツ魔法魔術学校の温室で目にしたマンドレイクの根について取り上げています。実在する植物であるマンドレイクの根は人のような形をしているため、特別な力があるとされていたようです。

賢者の石の作り方を記した4メートルもある希少な巻物や、美しいドレスを着た魔女が、身を守るために杖で自分の周りに円を描いている絵なども展示されます。今のように科学が発達していなかった時代に、人々が信じた魔法や魔術の記録はどれも興味深いものばかりです。

原作者J.K.ローリングの直筆原稿やイラスト原画が、日本で初めて公開されるのも楽しみです。「呪文学」の章では、J.K.ローリングが描いた《ダイアゴン横丁の入り口のスケッチ》を展示。傘でたたいたレンガが動き始めて、入り口がどのように現れるかが段階的に示されています。

J.K.ローリング《ダイアゴン横丁の入り口のスケッチ》  1990年 J.K.ローリング蔵 ©J.K.Rowling

全く無名だったJ.K.ローリングに、「ハリー・ポッター」の最初のアイデアが舞い降りたのは1990年のこと。マンチェスターからロンドンに向かう列車の中でした。彼女はその後、5年間かけてのちに大ベストセラーとなる7巻シリーズの構想を書き上げます。ブルームズベリー社で出版が決まる前、いくつもの出版社に原稿を持ち込みましたが、断わられ続けたといいます。

本展は、大英図書館によって2017年に企画、開催された展覧会“Harry Potter: A History of Magic”の国際巡回展です。ロンドン、ニューヨークで好評を博し、ついに神戸と東京にやってきます。

大英図書館は、世界で最も優れた研究図書館の1つで、蔵書は1億7000万点にのぼります。大英図書館の大規模な展覧会が日本に巡回するのは初めてのこと。兵庫県立美術館では2021年9月11日から11月7日まで、東京ステーションギャラリーでは2021年12月18日から2022年3月27日まで開催されます。

左/ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス《魔法円》 1886年 油彩/カンヴァス テート蔵  ©Tate, London 2019  右/大英図書館の展示風景 ©Easy Tiger Creative

「ハリー・ポッターと魔法の歴史」展

【兵庫会場】兵庫県立美術館
会期 2021年9月11日(土)~11月7日(日)
開館時間 10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで

【東京会場】東京ステーションギャラリー
会期 2021年12月18日(土)~2022年3月27日(日)
開館時間 10:00~18:00 (金・土曜日は20:00まで)※入場は閉館の30分前まで

休館日、観覧料など詳しくは展覧会公式サイトにてご確認ください。
https://historyofmagic/jp/

TOP画像:ジム・ケイ 《『ハリー・ポッターと賢者の石』の9と3/4番線の習作》
ブルームズベリー社蔵 ©Bloomsbury Publishing Plc 2015

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