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ブランドジュエリーオリジナルの特集記事です。

Women with Big Visions 壮大なイメージから生まれた型破りのジュエリー、オルタエア

ロンドンを拠点に活動するオルタエア。宇宙、自然、歴史を、大きなスケールで捉えてジュエリーを創造する

Women with Big Visions

Written by Olivier Dupon , Translation by Muramatsu Chihiro


オルタエア(Ortaea)のインスピレーションは、自然や宇宙の謎に由来しているもので、古代の神話や歴史にまで踏み込んだそれぞれのジュエリーは、魅力的な物語を語ることができます。女性にはいろいろなタイプがいますが、オルタエアの作品も多種多様。スタイリッシュでモダンなものからより派手で複雑、伝統的、1点ものや限定品など、すべて手を抜かない作りのジュエリーは、イタリアや香港、タイの信頼できる工房で製作されます。

オルタエアの創設者で現CEOのミタ・ヴォーラ(Mita Vohra)は、ジュエリー業界で15年以上のキャリアを持ち、ロンドンの高級ジュエラー、ジョーアル ファインジュエリー(Jooal Fine Jewellery)のディレクターとして、同社をアフリカやインドのアウトレット、ロンドンの中心メイフェアで展開させるなど、国際的なブランドに育てた立役者でもあります。こうした実績を踏まえて、いま最も元気な企業家である彼女が、何を考えているのか探ってみました。

オルタエアのクリエイティブディレクター、ミタ・ヴォーラ。
リング。サンゴの形からインスパイアされた「Koral(コーラル)」コレクション。
K18ブラックロジウム加工 ゴールド・ダイヤモンド。

Interview

Q1.ジュエリーのどういうところが好きなのですか?

ジュエリーは私に何か語りかけてくれます。作品1つ1つがストーリーを持っていて、現代にいながら古代へ誘ってくれます。その表現は無限で、美しさは形、バランス、全体像、バランスと結びついています。

Q2.ジュエリー界に入ったきっかけは?

16年前、私は宝石業の男性に恋をして、2人でジュエリービジネスを起業しようと動きました。その後、自分の想いに従って、自分自身でオルタエアの発表に着手したのです。

Q3.あなたにとって絶対はずせないジュエリーは?

母からもらった鉄製のバングル。それは、強さ、アイデンティティ、お守り、そして戦士の象徴です。

Q4.ビジネスはいつ頃から伸び出しましたか?

私は15年間、ジュエリービジネス界で働き、2016年8月にオルタエアを設立しました。ロンドン・ナイツブリッジのハーヴェイ・ニコルズに店をオープンすることになった時、わずか3カ月で間に合わせました。それは許容範囲を超えた、とてつもない仕事でしたが、一度決めて信じ、何がしたいのか、全エネルギーを傾けることで、乗り越えることができることがわかリました。

Q5.ビジネスモデルはありますか?それとも直感ですか?

両方です。私自身は直感で動くタイプ。心の内にある強い声を聴きます。それが正しいことはわかっていますが、私はその声を信じつつもビジネスには方向や戦略、企画があり、そして多くの仕事をこなすことで成功するものだと思っています。

Q6.ビジネスを成長させるには、どうしたらよいと思いますか?

ビジネスの成功事例の多くは、一にも二にも「場所」です。私たちは、ロンドン・ナイツブリッジの高級ショッピングエリアのハーヴェイ・ニコルズに出店できて本当に運がよかったと思っています。ブランドとして流通するには、独自のデザインを育んでいくこと、信頼を勝ち取ること、そして口コミで広まっていくこと。それはひいきにしてくれる人たちがいるからこそ獲得できるものです。

Q7.SNSはあなたのビジネスに影響していますか?

販売している商品が、寿命が長く、贅沢品なので、SNSのツールにはインスタグラムを選びました。ウェブサイトを更新したり、インスタを配信する時には、実店舗のオープンの時よりもさらに神経を使います。ハーヴェイ・ニコルズのEコマースのサイトにも商品をアップしていますが、ラグジュアリーなオンラインショップで販売が拡大することを期待しています。

Q8.ジュエリーとの関わり合いの中で一番の思い出は?

父が母の70歳の誕生日に、エメラルドとダイヤモンドのリングをプレゼントし、母の美しい顔が涙でいっぱいになった時のこと。リングはもちろん、私がデザインしたものです。

Q9.ジュエリーを選ぼうとしている女性にアドバイスをお願いします。

大好きなものを選ぶこと。そして必ず身に着けること。少しでも迷いがあるのなら買わないで。何かインスピレーションを感じるものを選んでください。高級品を買うのなら、クオリティの高い宝石を選ぶことが大切です。

Q10.現在のジュエリー業界をどのように捉えていますか?

業界の扉が今まで以上に顧客に開かれ、活気や競争が激しくなったきっかけにインターネットがあります。世界的に、卸業者が今や小売業も行い、主要な小売業者は宝石サイトホルダーになり、業界は統合されました。また限られた時間枠の中で新ブランドが大量に出現し、聞いたことのない多くのメディアが利用できるようになりました。一方、確立されたブランドはマーケティングを間違えると、あっという間に古臭くなってしまう恐れがあると思います。

Q11.あなたにとってジュエリーのない世界は?

きらめきのない微笑み。

バングル。「Nature’s Wonder (自然の神秘)」コレクション。
K18ホワイトゴールド・タンザナイト・ダイヤモンド。
ネックレス。「Nature’s Wonder (自然の神秘)」コレクション。
K18ホワイトゴールド・タンザナイト・ダイヤモンド。
バングル。レッドカーペットをイメージ、限定数のみ製作の「Rouge(ルージュ)」コレクション。
K18ホワイトゴールド・K18ピンクゴールド・ダイヤモンド。
リング。大胆、パワフル、そして美しい女性をイメージした「アーマー(Armor)」(鎧)コレクション。左K18WG・ダイヤモンド。右K18PG・ダイヤモンド。

(クレジット)
Olivier Dupon
21st century tastemaker and author of Fine Jewelry Couture(2016), SHOE(2015),Encore! The New Artisans (2015), Floral Contemporary (2014), The New Pâtissiers (2013),The New Jewelers(2012) and The New Artisans(2011), all published by Thames & Hudson.


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