2本目に欲しい、素直な真珠、歪んだ真珠
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パールは丸いと誰もが思っていますが、それはパールのエキスパートが大量のパールの中から商品化するためにきれいなものを厳選しているため。貝から取り出したパールすべてが丸いわけではなく、実は歪んだりエクボがあるもののほうが多いのです。
日本はパール大国。日本の海で養殖しているアコヤ真珠の他に、オーストラリアから南洋真珠、タヒチから黒蝶真珠も持ち込まれ、用途によって選別され、穴あけしたりして、再び海外に出て行きます。
神戸は真珠の集積地と言われます。ベルギーのアントワープがダイヤモンドの集積地として知られ、歴史ある研磨会社が多いのと同じように、神戸には真珠の加工、卸売の企業が多く稼働しています。真珠のエキスパートも当然ながら多く、世界では「日本の真珠」といえば安心して買えるという評判です。「真円」という丸いタイプは日本の真珠の代表格です。
100年前、パールはもっと高価だった。ハイクラスの女性たちの必需品だった
歴史が好きな人はよく知っていると思いますが、パールネックレスは1920年代、アール・デコが流行した時代に人気を博しました。ハイクラスの女性たちは、ストレートラインのワンピースに、80〜100cmのパールネックレスをぶら下げました。作家フィッツジェラルドの原作『グレート・ギャッツビー』を映画化した『華麗なるギャッツビー』のパーティシーンで登場する女性たちの着こなしがそれです。アコヤ真珠と思われるパールネックレスをじゃらじゃらと身につけています。当時はミキモトが成功した養殖真珠がようやく出回り始めた頃。まだ天然真珠が主体で、おそらくパールネックレスは今以上に高価だったでしょう。
バロック真珠は天然のままの形
正統な美しさに溢れる丸い真珠は、20世紀、ヨーロッパの王室の女性たちに好まれ、エリザベス2世は3連のパールネックレスを愛用していました。ところが時代を遡ると養殖真珠が存在しなかったので、肖像画で見るエリザベス1世が身につけているネックレスは完全な丸い珠ではありません。ただし権力を見せつけるように大粒のもの集めてネックレスに仕立てています。当時の真珠は、ポルトガルがはるばるベネズエラやペルシャ湾などから運んできたものでした。
真珠はすべて天然であったため、多くは形が歪んだものでした。インドやアラブ諸国、イタリアやスペインなどラテン系の国では、今でも海が育てたありのままの姿を好む傾向にあります。歪んだ真珠は「バロックパール」と呼ばれ愛されています。
ポルトガルのパール、かわいいデザインをピックアップ
Brand Jewelry ショップではポルトガルから取り寄せた淡水バロックパールのジェエリーを扱っています。ポルトガルは海洋立国といわれる国。15世紀の大航海時代、世界の海を渡り、さまざまな物資をヨーロッパにもたらしました。荷物の中には大量のパールも含まれていました。ちなみに日本には鉄砲、時計、織物などをもたらし、日本からは銀を渡したそうです。
パールは淡水真珠。ポルトガルは古い時代から金の技術が発達しています。
バロックパールに葉っぱのモチーフ。地金の部分はシルバーにリサイクルゴールドのコーティング。
リーフモチーフがおしゃれなバロックパールピアス¥8,250
丸みのあるバロックパールが可愛いです。
*ピアスは試着しないと不安という方は、ご購入後、耳に合わなければご連絡ください。返品可能期間内であれば、承ります。特定商取引を必ずお読みください。