パールの基本

核(英:Nucleus)

養殖時に真珠の元として真珠貝の中に入れるもの。こうした核を持つ真珠を有核真珠という。真珠の中には天然真珠や淡水真珠のように、核を持たないでできる無核真珠もある。

核入れ(英:Transplant nucleus into the mother of oyster)

母貝に核とピースを入れる作業。真珠養殖の中で一番重要で、核入れの技術によっても真珠の出来が大きく左右される。

キズ(英:Flaw)

養殖の段階で自然にできる、窪みや突起のこと。キズの数や大きさ、種類、位置によって真珠の品質に大きな影響を与える。少なければ少ないほど価値は上がるが、あるからといって質が悪いわけではない。むしろ完全に無キズというものはまず見られないといってよく、キズがあることで本物だとわかることも。養殖中にできる天然キズと、加工・取り扱いによってできる加工キズがある。

グラデーション(英:Gradation)

連組みのネックレスで、中央に最もサイズの大きい珠を置いて、左右対称に後ろに向かって次第に小さくしていく組み方。同じサイズのパールが揃わなかった苦肉の策で、1950~60年代のネックレスはほとんどがこのタイプだった。近年はファッションとして人気が復活してきている。

ケシ真珠(英:Keshi)

かつてはアコヤガイから採れる小粒の真珠を指した。専門家の定義では養殖の途中で副産物として採れる海水産の無核真珠を指す。

越物(英:Pearl cultured more than one year)

おもに1年以上養殖された真珠のこと。年を越すのでこう呼ばれる。越物のように養殖期間が長くなると、珠のサイズは大きくなり、巻きも厚くなるが、その分真円の割合は少なくなる。

採苗(英:Seedling)

真珠の母貝となる貝を育てる最初の段階で、稚貝(赤ちゃん貝)を採取すること。自然に受精したものを採取する方法(天然採苗)と、人工的に受精させる方法(人工採苗)がある。ある程度大きくなると、籠に入れられて海で育てられる。

シード(英:Seed)

天然で小粒の無核真珠で、海水産・淡水産を問わず、約2mm以下の大きさのものを指す。養殖開始以前の時代のアンティークジュエリーには、このシードパールを使用した繊細なデザインのものが多く残っている。

真珠層(英:Nacre)

アラゴナイトと呼ばれる炭酸カルシウムの結晶と、コンキオリンと呼ばれる硬タンパク質が積み重なってできた層。真珠特有の輝きを生む重要な部分である。

テリ(英:Luster)

真珠の光沢を表した言葉。専門的な言い方をすると「真珠が反射する光の質」を指す。真珠層の厚さや均一性、光透過性など、真珠の内面の構造によって大きく変わってくる。表面が滑らかで、かつ真珠層の構造が規則正しい場合に真珠特有の美しいテリが生まれる。テリの強さや弱さの評価は、だいたい3段階~5段階で行われている。

天然真珠(英:Natural pearl)

全く人の手を介さずに、自然に母貝の中で育まれた真珠のこと。偶然の産物なので、見つけるのは至難の業。養殖の技術が発明されるまでは、真珠はまさに王侯貴族だけが手にする贅沢品だった。現在は流通しているもののほとんどは養殖真珠である。しかし養殖も生き物である貝で作るものなので、多くの時間と労力を要する。

当年物(英:One year pearl)

養殖の期間が1年以内の真珠のこと。

南洋珠(英:South sea pearl)

通常は白蝶真珠を指すことが多く、南洋真珠とも呼ばれる。ときに黒蝶真珠を指すこともあるが、どちらにしても店頭では南洋真珠として販売されていることも多いので、母貝がどちらか知りたい時はスタッフに尋ねてみては。

ノット(英:Knot)

ネックレスの糸が切れた時に、珠が切れてバラバラになるのを防ぐために、珠と珠の間に入れる糸の結び目のこと。端からいくつかの珠の間に作られる場合と、すべての珠の間に作られるオールノットタイプがある。

花珠(英:Hanadama)

養殖真珠の中で、キズが少なく、巻き、テリ、形、色などが良い高品質のものをいう。はっきりした統一基準があるわけではない。

浜揚げ(英:Hamaage)

養殖された真珠を母貝から取り出すこと。日本のアコヤ真珠の浜揚げは、色やテリの良くなる12月~翌年2月にかけて行われる。

バロック真珠(英:Baroque pearl)

ラウンド形やドロップ形以外の形の大きく崩れたものをいう。芸術様式の「バロック」は、ポルトガル語のbarroco(歪んだ真珠)に由来するとされる。

ピース(英:Piece)

貝の外套膜の細胞をカットした細胞切片。ピースを核と一緒に母貝に移植すると、増殖して真珠袋となって真珠質を分泌する。ピースは真珠の色に大きな影響を与えると言われている。

漂白(英:Bleach)

過酸化水素水などを用いて、真珠に含まれるシミや色素を漂白して真珠の美しさを引き出す処理。この漂白が丁寧に処理されていないと、時間が経った時に変色しやすくなる。

ブリスター(英:Blister)

貝殻の内側にこぶのようにできる真珠。歴史は古く、中国の仏像真珠やマベ半形真珠などがこれにあたる。偶然異物などが混入してできる天然ブリスターもある。

母貝(英:Mother oyster)

養殖に使われる真珠貝のこと。海水産の場合は、おもにアコヤガイ、シロチョウガイ、クロチョウガイ、マベガイ、アワビガイの5種類、淡水産の場合はイケチョウガイ、ヒレイケチョウガイ、カラスガイの3種類が用いられている。この母貝の違いが真珠の個性を生む。

ポピー(英:Poppy)

ケシと呼ばれる無核真珠のこと。専門的にはポピーは養殖ではなく天然を指すものとされている。

巻き(英:Nacre thickness)

真珠の中心の核を取り巻いている真珠層の厚みのことで、養殖期間が長いと厚くなる傾向にある。厚みの他に、真珠層が均一であるかが評価の対象となる。巻きが厚いほど大きなサイズになるが、それだけ整った丸い形は少なくなる。

マベ(英:Penguin wing oyster)

真珠を作る母貝のひとつで、熱帯性の二枚貝。奄美大島以南の太平洋、インド洋に広く分布している。このマベガイからできる真珠をマベ真珠といい、構造上、真円真珠を作るのが難しいため、通常半円に近い形をしている(円以外の形もある)。一般には母貝に関わらず半形状の真珠をマベパールと呼ぶことがある。

無核(英:Non-nucleus pearl)

核を持たずにできた真珠のこと。核は養殖時に入れるものなので、天然真珠は無核真珠である。養殖であっても、ピースが核から離れてできたケシや、核ではなくピースだけを入れてできるものなどは無核真珠となる。淡水真珠はほとんど無核真珠の仲間である。

匁(もんめ)(英:Monme)

真珠の目方を表す国際単位。真珠の養殖が日本から始まったため、真珠の重さを量る単位には、日本古来の単位、匁が世界的に使われている。1匁=3.75グラム。一般には使わないが、生産者が売る時や商取引で使用される。

ユニフォーム(英:Uniform)

連組みされたネックレスで、珠のサイズの違いが0.5mm以内の、ほぼ同じ大きさの珠のみで作られたもの。現在の連組みのネックレスで一番多く見られるデザイン。

連組み(英:Ream pearl)

連台と呼ばれる溝のある木製のトレーの上で、両穴珠のサイズ、形、巻き、キズ、色、テリなどの品質を揃えたものを並べ、糸を通してネックレスに仕上げることをいう。

和珠(英:Japanese pearl)

もともとは日本産のアコヤ真珠を指していたが、今は外国産も混ざっていたりするので、あまり定義がはっきりしていない言葉である。

参考資料:『ブランドジュエリー 特別編集 Pearl』

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