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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

No.157 映画「ダウントン・アビー/新たなる時代へ」。きらびやかなファッションとジュエリー満載、ラグジュアリーなひと時を

BJI ブログ No.157


20世紀初頭イングランド郊外の架空の村ダウントンの大邸宅を舞台に、そこで暮らすグランサム伯爵クローリー家と使用人たちのそれぞれの人生を描いた人気テレビドラマシリーズ「ダウントン・アビー」。日本でも2014年春から2017年7月まで、NHK総合テレビで『ダウントン・アビー 華麗なる英国貴族の館』というタイトルで放送、ご覧になった方もいるでしょう。シーズン6をもって終了した後、2020年に映画版『ダウントン・アビー』が公開、さらに2022年9月30日から続編の『ダウントン・アビー/新たなる時代へ』が公開されています。

タイタニック沈没、第1次世界大戦、アイルランド独立運動といった当時の歴史上の事件を絡めながらのストーリーも興味深いのですが、英国の貴族社会を描いているというだけありファッションやジュエリーも話題となっています。

今回の舞台は、2020年公開の前作から1年後の1928年。ある映画会社から新作を屋敷で撮影したいというオファーが飛びこんできます。当主のロバート・グランサム伯爵は最初は反対しますが、長女のメアリーから「だいぶ傷みがひどくなった館の修繕費を捻出できる」と説得されしぶしぶ承諾します。「ハリウッドスターが屋敷にやってくる!」と伯爵家のメンバーはもちろん、使用人たちも大はしゃぎ。時は、サイレント(無声)映画からトーキーへの移行期、当時の映画事情がちらりと垣間見られるのも魅力のひとつです。

一方、ロバートの母で先代伯爵夫人バイオレットが訳ありの別荘を相続したと聞き、気になるロバートは妻コーラや次女イーディスなどを連れて南仏へと向かいます…

ジュエリーを担当しているのは、ロンドンの超高級エリア、メイフェアにあるイギリス王室御用達の宝石商、ベントレー&スキナー。テレビシリーズ、映画ともにジュエリーを提供しています。

同社シニアスペシャリストの Omar Vaja(オマール・ヴァジャ) 氏によると、「ヴィクトリア女王の治世の後半から、ロイヤルファミリーは当社の顧客でした。ヴィンテージアイテムの膨大な在庫があり、ダウントン・アビーの衣装チームとの仕事はとてもスムーズに行われました。前作ではロバートの母バイオレットやクローリー家の女性たちが身に着けているゴージャスなティアラを提供しました。その多くはコンバーチブルデザインなので、一部を取り外してネックレスやブローチなどに着用できるようになっています。実際そうした使い方もよくされていました。今回の映画でも当社のユニークなダイヤモンドヘッドピース、イヤリング、ブローチをいくつか見ることができます」と語っています。

たとえば、映画冒頭シーンで、亡き三女シビルの夫トムが再婚することになるのですが、その結婚式で再婚相手ルーシーのパールとダイヤモンドのティアラ、ウェディングドレスの左胸についているダイヤモンドのリボンブローチは、アールデコを彷彿とさせ、まさに20世紀前半の時代を感じさせます。

またロバートの妻コーラや長女のメアリー、次女のイーディスなど女性たちの胸元のロングネックレスは、時にはさらりとシングルで、時には首にぐるりと巻きつけて、その時のスタイルに合わせて上品にコーディネート。耳元には同じ色や素材のドロップイヤリングが揺れているのも見逃せません。

映画を撮影のためにダウントン・アビーにやって来る主演女優マーナの衣裳は、毛皮のストールやアールデコ調のジュエリーが印象的。ミントカラーのコートドレスに、同色の大粒のスクエアカットの宝石をあしらったイヤリング、コートを脱いだワンピースの胸元に輝くダイヤモンドのブローチは、クールで凛とした女優スタイルを創り出しています。

大画面に映し出される優雅で華やかな古き良きイングランド。そこで暮らす人たちのありふれた日常のちょっとした事件に、時に「くすっ」と笑わせられたり、ほろりとさせられたり。前作以上の見ごたえのある作品となっています。


TOP画像出典:https://downton-abbey-movie.jp/

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