第77回ベネチア国際映画祭、女優のケイト・ブランシェットらが、ポメラート(Pomellato)のジュエリーをまとって登場
Written by MACHIDA Akemi
ポメラートの緻密な金細工の技術が凝縮した「イコニカ」コレクションや、煌めき舞う砂のような「サッビア」コレクションの新作をつけ、レッドカーペットを歩く女優たち
映画祭と言えばセレブのドレスを見るのが楽しみですが、それ以上に見とれてしまうのが豪華絢爛なジュエリーの数々です。今年は新型コロナウイルスの影響で開催が危ぶまれましたが、徹底した感染予防対策を講じながら、第77回ベネチア国際映画祭が2020年9月2日~12日に開催されました。
ベネチア国際映画祭は世界三大映画祭の1つで、イタリアのベネチアの南に浮かぶ細長い島、リド島で毎年開催されています。世界各国がロックダウンを経験し、その後大型映画祭としては初めての開催となったことでレッドカーペットを歩くセレブたちに注目が集まるなか、ケイト・ブランシェット、クリスティーナ・カポトンディ、アナベル・ベルモンド、モデルのフリーダ・アーセン、マティ・フォール・ディバが、ポメラートの美しいジュエリーをまとって登場しました。
なかでも圧倒的なオーラを放っていたのが審査委員長を務めたケイト・ブランシェット。映画『エリザベス』『ブルージャスミン』『キャロル』などに出演し演技派女優としての地位を確立した彼女の魅力は、クールな美しさだけでなく、芯の強さや知性が感じられるところ。年齢を重ねるごとに輝きが増しているようです。
ケイト・ブランシェットの首元には、ポメラートが誇る金細工の伝統にオマージュを捧げた「イコニカ」コレクションのチョーカーが光っていました。美しい曲線のローズゴールドのラインに、チェーンの部分にはダイヤモンドのパヴェがセットされ存在感たっぷり。白のラインの入ったケープドレスともよく合うコーディネイトでした。彼女の左手の中指と薬指には、「サッビア」のダイヤモンドのパヴェのリングが美しい煌めきを放っていました。
*トップ画像:「イコニカ」コレクションのチョーカーをつけて登場したケイト・ブランシェット。Cate Blanchett in Pomellato/Getty images
ポメラートは、1967年に金細工職人の家系を継いだピーノ・ラボリーニにより、ミラノで誕生しました。1960年代は注文を受けて縫製される1点もののオートクチュールから高級な既製服プレタポルテに移行する時代で、ラボリーニはその動向をいち早く察知。プレタポルテの概念をジュエリーに取り入れ、家庭から職場へと進出し始めた女性向けにファッション性が高くて気軽につけられるジュエリーを提案し、ポメラートはたちまち人気となりました。読者の中には、誕生30年を迎えたチャーミングなテディのペンダントトップ「オルセット」でポメラートと初めて出会った方もいるでしょう。
ポメラートと言えば、色とりどりの大粒のカラーストーンのリングを思い浮かべる人が多いでしょう。心躍るようなポメラートのジュエリーは、熟練の職人たちの技によるものです。ミラノにあるアトリエでは、100名余りの優秀な職人がいて、日々チャレンジしながら唯一無二のジュエリーを作っています。ポメラートを特徴づけるローズゴールドなどの貴金属に、高品質なダイヤモンドや世界中から集められたカラーストーンが結びつき芸術的な作品が生まれるのです。
ケイト・ブランシェットがつけていた「サッビア」のリングは有機的なデザイン。見渡す限りの砂地に太陽の光が照りつけ、無数の砂が輝き出す、そんなイマジネーションが広がります。あえて不揃いな金属面に、ダイヤモンドをランダムにセッティングしているところがユニークです。
クリスティーナ・カポトンディやモデルのフリーダ・アーセンが着用していた「タンゴ」のジュエリーは、ぼってりとしたボリュームのゴールドチェーンにパヴェセッティングが目を引きます。美しい旋律に合わせてしなやかに踊るタンゴですが、それをイメージして作られたネックレスやリングは、エレガントで情熱的。アクアマリン、タンザナイト、ブルーサファイアの3つのカラーストーンで作られたリングもあり、ファッションとのカラーコーディネイトが楽しめそうです。
お問い合わせ:ポメラートブティック銀座店 TEL 03-3289-1967