12月の誕生石は、宇宙の銀河を切り取ったようなラピスラズリ
Written by MACHIDA Akemi
ラピスラズリはツタンカーメン王のマスクにも使われ、クレオパトラがアイシャドウにしたとも言われている。フェルメールの代表作「真珠の耳飾りの少女」にも顔料として使用された。
天然の色とは思えないほどの濃いブルーのその中には、キラキラと金色のパイライトが光っている。
12月の誕生石には、トルコ石、タンザナイトの他に、もう1つラピスラズリが設定されいて、3つとも青系の美しい宝石です。何かとバタバタと過ぎていく忙しい12月ですが、青色のジュエリーは眺めていると気持ちが落ち着いてきて、リラックス効果が得られるようです。
天然の色とは思えないほどの濃いブルーのその中には、キラキラと金色のパイライトが光っています。金色が点在する青の宝石は他にはなく、ラピスラズリにしか見られません。名前のラピス(lapis)はラテン語で石を意味し、ラズリ(lazuli)はペルシャ語で青を意味する言葉とされています。ラピスラズリは、ラズライト、カルサイトなど複数の鉱物が混ざっていて、これらの鉱物のミックスの度合いによって、1つ1つニュアンスの違う色合いになるのです。
星が瞬く夜空を連想させるラピスラズリには、魔除けの力があるとされ古代エジプトの時代から装飾品に使われていました。ツタンカーメン王のマスクにも使われ、クレオパトラが粉にしてアイシャドウにしたとも言われています。ラピスラズリから作られた顔料のウルトラマリンの青色はヨーロッパにも伝わり、フェルメールの代表作「真珠の耳飾りの少女」に使用され、他にも多くの画家がこのウルトラマリンの色で聖母マリアの衣裳を描きました。美しいラピスラズリのブルーは、王族貴族や才能ある画家たちに愛された色なのです。
主な原産地はアフガニスタンで、約6000年前の古代エジプトの時代から採掘が続いています。アフガニスタンの鉱山では群青色の綺麗な色をした高品質なものが多く採れます。他には、チリ、ロシア、少量ですがアメリカやカナダでも採掘されています。
ラピスラズリを選ぶときに、ポイントがいくつかあります。まず色むらのない、濃い青のラピスラズリは最高品質とされます。その中でも青の地色に金のパイライトの斑点がバランスよく入っているものは人気があります。カルサイトの白い部分が多くなると価値が下がると言われていますが、自分の目で見て好きな色のものを選ぶとよいでしょう。宇宙の銀河のような金のパイライトが多く散りばめられたものを好むコレクターも多くいます。
重ね付けするなら、金のパイライトに合わせて手持ちのゴールドのジュエリーと組み合わせても素敵です。他におすすめは赤と青、例えばルビーとラピスラズリを重ねづけすると色のコントラストが美しく、思わず目がいきます。鮮烈なブルーは装いの差し色になり、ぐっと洗練された印象になるので、ラピスラズリのジュエリーをファッションに取り入れてみてはいかがでしょうか。
*トップ画像:LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)Brand Jewelry2019-2020Winter-Springより。
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