『パールのあるシーンVOL.2 』ネックレスの長さには意味がある
Written by TOSHISHIGE Yukiko
パールネックレスは一定のルールで作られている。それを知っていると、ファッションとのコーディネートがさらにすてきにキマる
パールは季節を問わず、さまざまなファッションに合わせられる万能ジュエリーです。前回(VOL.1)では、日常のスタイルにお留守番しているパールネックレスをさりげなく装いましょう!という提案をしました。 では、ベーシックでシンプルなパールネックレス(チョーカー、マチネー、オペラ、ロープ)はそれぞれどのようなネックレスなのか、また、どのようなスタイルやシーンに合わせるのが効果的なのでしょうか。
幅広くコーディネートできる約40cm〈チョーカー 〉
チョーカーは多くの女性が親しむ短めのネックレス。チョーカーと言えば、 一般的にネックレスの代名詞のように使われますが、「choke」は首を絞めるといういささかセンセー ショナルな意味があります。 世界で初めて真珠養殖に成功した御木本幸吉が、 1905年(明治38年)明治天皇に拝謁した際に「世界中の女性の首を真珠で 絞めてご覧にいれます。」と語っていますが、この 〝締める 〞という感覚の首元にぴったりのネックレスとして名付けられています。 成人式や結婚の際に、いわばファーストパールとしてイヤリングと一緒に揃える場合が多く、改まった席はもちろんのこと、襟あきにこだわらずかなり幅広いファッションに合うのでさまざまなシーンに着けられます。
昼間のドレスのために生まれた〈マチネー〉
マチネーの名は、フランス語の matinée(演劇や音楽会の昼の部のこと)から昼の ドレスに合う長さのネックレスを意味して付けられていますが、昼間にこだわることはありません。比較的襟のデザインを選ばない便利な長さ。シャツ襟の外側に着けてアクティブな装いにやさしさをプラスするような新鮮なコーディネートが楽しめるレングスです。
その名の通り、オペラ鑑賞のためのネックレス〈オペラ〉
オペラ鑑賞に着けるのがおすすめ、ということなのでしょう。何ともロマンティックなネーミングです。その名のように、フォーマルな印象の装いを演出しますが、 約80cmはチョーカーの倍の長さなので、2 連に着けることもできます。
立ち姿に映える約120cmの〈ロープ〉
約120cm のロープというネーミングは、その長さをアピールしたのでしょう。ウエストの切り替えのないワンピースなどにおすすめの長さで、ビュッフェスタイルのパーティなどの立ち姿に映えるネックレスです。逆に長さが気になる場面では、 2連のマチネーや3連のチョーカーとして装うこともできます。
ネックレスの装いで重要なのは全体のバランスです。必ず、全身が写る鏡でチェックしましょう。 また、パールネックレスはどうしてもフォーマ ルなイメージが強く、普段の装いには合わないので は? と思われる時は、ペンダントやチェーンネックレスと重ねたり、あえてパール以外のイヤリングを組み合わせるとカジュアル感が楽しめます。 シャツやニットなどカジュアルな装いに合わせれば意外に新鮮なスタイルを演出できます。気軽なお出掛けにもあなただけの素敵なパールスタイ ルを楽しんでください。
利重 由紀子 (Toshishige Yukiko)
株式会社ミキモト入社。1989年広報課新設時に広報課長。1994年消費者と企業のパイプ役、日本ヒーブ協議会会長。この経験から業界初のお客様相談 窓口設置に関わる。その後、広報宣伝部長、商品開発部長。現在フリーランスとして執筆活動をはじめ、ジュエリーに関わるさまざまな業務に従事している。
Top画像(部分): Mary Cassatt Tittle : Woman with a Pearl Necklace in a Loge 1879
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