フェンディ(FENDI)2021春夏クチュールコレクションに見るモード&アクセサリー
Written by Brand Jewelry
新アーティスティック ディレクター、キム・ジョーンズのデビューコレクション。成長期に影響を受けた文学『オーランドー』のエッセンスが随所に散りばめられている。
フェンディ2021春夏クチュールコレクションは、パリの旧証券取引所で開催された。2019年に亡くなったカール・ラガーフェルドの後を引き継いだのはロンドン生まれのキム・ジョーンズ。デビューコレクションは、彼のクリエイティビティに影響を与えた作家ヴァージニア・ウルフの作品『オーランドー』と、フェンディのクラフツマンシップへのリスペクトが織り合わされたものだった。
ジョーンズは幼少期、20世紀初頭にイギリスを拠点に活動していた芸術家のグループ、ブルームズベリーの精神に感化され、その体験が成長期を通して彼のインスピレーションの源になったという。ブルームズベリーの創設者の1人、ヴァージ二ア・ウルフの小説『オーランドー』は男性に生まれ、女性に変身していく貴族の生涯を綴った物語で、ウルフは女性作家としてジェンダーを扱い、文壇で注目を集めた。当時としては前衛的な文学の断片がジョーンズの創作の随所に散りばめられている。
フェンディはファッションばかりでなく、バッグやアクセサリーが人気が高いが、最新のクチュールでもシェルを用いたビッグサイズのイヤリングやヘッドピース、ビーズのバッグなど、エレガントな小物が多く登場している。
取材協力:フェンディ ジャパン TEL 03-3514-6187