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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

No.19 だまし絵技法のジュエリー展、アメリカ・パティナギャラリー(PATINA GALLERY)にて開催

BJI ブログ No.19

歴史的な街並みや建築物を残し「アメリカの宝石」と呼ばれるニューメキシコ州の州都サンタフェ。芸術家が多く住み、美術品も多いことから、ここ20年ほどで国内外の芸術の要所となり、今や世界中からアートの集まる街として注目されています。

パティナギャラリーは、その地で1999年イヴァン&アリソン バーネット夫妻がスタートしたアートギャラリー。

このギャラリーのユニークな点は、彼らが厳選した粘土や木材を使った彫刻、繊維やその他の素材を混在させたオブジェ等のアート作品だけではなく、同じスペースに作家もののジュエリーも一緒に展示しているところ。他のオブジェと違和感なく美しく共存している店内は、オーナーのセンスの良さを感じさせます。

2021年3月3日(水)から4月3日(土)まで、フランスのアーティストClaude Chavent(クロード シャヴァン、以下シャヴァンと記載)のコレクションを展示しています。

化学の分野でキャリアを積んだ後、ジュエリーの道へ進んだシャヴァン。現在はルネサンス期以降の高度なだまし絵の技法を取り入れたアーティストとして高い評価を獲得、彼の作品は、ニューヨークミュージアム・オブ・アーツ・アンド・デザインやパリの装飾芸術美術館を含む名だたる施設の永久コレクションとなっています。

今回パティナギャラリーで発表された作品の中でも興味深かったのが、光の当たり具合や見る角度によって違った表情を見せる六角形のブローチやまるで浮かんでいるみたいに見えるCADRE(カードル、フランス語でフレームの意)という名のブローチ兼ペンダントトップ。さらに、ころんとしたかわいらしい球体の内側の空いた穴に耳たぶが入っているようなピアス、BOULE(ブル、フランス語で球体)やゴージャスなキューブ型のイヤリングなど、シンプルな中にも計算しつくされた美が感じられます。

出展された作品のうち、すでにそのほぼ8割がすでに完売、彼の作品の人気の高さがうかがえます。作品はインターネットでも販売中ですが、アメリカ、カナダドルもしくはユーロ対応のため、日本人にはちょっとハードルが高そう。いつの日か、日本で彼の作品に巡り合えたら……と思います。(C)


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