アカデミー助演女優賞に輝いたユン・ヨジョン、豪華なショパールに呑まれない堂々とした存在感
Written by WATANABE Ikuko
73歳の女優、ショパールのオートクチュールジュエリーを自然体で着こなす
第93回目アカデミーは、作品『ミナリ』で韓国出身の女優が助演女優賞を受賞しました。ハリウッド映画でアジアの俳優が受賞するのは稀なこと。韓国人俳優としては初めの快挙です。
ミナリとは韓国語でセリを意味します。セリは大地に根を張り、2度目の旬から美味しさが増す植物。作品はアメリカ南部アーカンソーに移住した韓国移民家族の物語。ユン・ヨジョンはおばあさん役として登場します。
ヨジョンは1970年代、アメリカに移住し、俳優業をしながら2人の息子を育てました。アカデミー賞でのスピーチでは息子たちに向けて、「外に働きに行かせてくれてありがとう。ママは頑張ったわ」と感謝の気持ちをユーモアたっぷりに語っていました。白人社会のハリウッド映画でアジア人として頭角を表すには並大抵の努力では難しいでしょう。しかしヨジョンは、受賞したことに「自分はたまたまラッキーだった。アメリカ人のホスピタリティかしら」と。出席者の笑いを取りつつもその言葉には、73歳まで映画界の第一線で活躍してきた重みがありました。
アカデミー賞授賞式には黒のシンプルなドレスに、ダイヤモンドが真っ白に輝くショパールのオートクチュールジュエリーをコーディネートして登場。ひときわ目を引いたのは、50.8ctもあるダイヤモンドブレスレットですが、ヨジョンはさりげなく自然体に身につけていました。どんなに高価できらびやかジュエリーにも呑まれない存在感は、その人がたどってきた真摯な生き方によって作られていくのでしょう。ショパールのハイエンドなジュエリーが似合う女性になりたいものです。
トップ画像:オスカーを手にしたユン・ヨジュン。右は『ミナリ』の製作総指揮の1人ブラッド・ピット。
取材協力:ショパール