No.42 天然か、合成か?ダイヤモンドを見極める 最新の審査機器が登場
BJI ブログ No.42
デンマークのジュエリーブランド、パンドラが「自社製品には合成ダイヤモンドのみを使用する」と発表(当ブログNo.32で紹介)してから2か月。手ごろな合成ダイヤモンドがさらに多く市場に出回ることに関して、天然ダイヤモンドを扱う業界では危機感をもって受け止められています。
合成も天然も化学組成上は同じもので、ダイヤモンドの持っている物理的な性質、特に実用上最強といわれる「硬さ」については同等の数値のため、肉眼で見分けることはなかなか困難です。
そんな中、6月1日からNYマンハッタンのミッドタウンにあるワールドダイヤモンドタワーの敷地内で、第1回ダイヤモンドテクノロジーの展示が行われています。(今後1年に1回開催の予定。)ナチュラル・ダイヤモンド・カウンシル(以下、NDC)、宝飾業自警団(JVC)のダイヤモンド保証プログラムの提携の下、米国ダイヤモンド製造業輸入組合(以下、 DMIA)が主催。カルティエもメンバーの一員である「責任あるジュエリー協議会(RJC)」が、DMIAのメンバーはもちろんのこと、ダイヤモンドを取り扱う業者にとって、天然なのか合成、または擬製なのかをふるい分けする有効な装置を試すチャンスを提供しています。
審査を希望する人は、事前にメールでDMIA宛に社名や名前や連絡先をオンラインで予約を取っておくことが必要ですが、DMIAのメンバーに限らず、興味を持っているダイヤモンド業者にも門戸を開いています。
こうしたふるい分けする機器を、DMIAによるダイヤモンド公正委員会 (以下、DDIC) の活動として一般に公開するのは今回が初めて。DMIA代表スチュワート サミュエル氏は、「ダイヤモンドのふるい分けの機器は、ダイヤモンドの売買においてなくてはならない工程となってきている」と語っています。
天然と人工の棲み分けがはっきりとしていけば、ダイヤモンド業者間にとっての取引はもちろんのこと、私たち消費者も、安心して納得できる買い物ができるというもの。実際の機器を使ったセッションで自身のダイヤモンドやダイヤモンドジュエリーを審査することができることから、今後こうしたツールの需要が高まっていくのではないでしょうか。
ダイヤモンドテクノロジー展示、今年は7月31日までの2か月間開かれています。(C)
トップ画像:https://www.naturaldiamonds.com/instruments/synthdetect-2/