No.44アフリカ大陸2つの国から、天然ダイヤモンド・エピソード。本物か嘘か?
BJI ブログ No.44
天然か合成か、当ブログでも今ちょっとした話題となっているダイヤモンド。合成のものは、条件さえ揃っていればどこでも作り出すことが可能ですが、天然ダイヤモンドは採掘される場所が限られています。
ロシア、カナダ、オーストラリアのダイヤモンド鉱山、そしてアフリカ大陸では南アフリカ、ボツワナが産出量の多いことで知られています。
最近その2つの国における天然ダイヤモンド発見のニュースが話題となりました。
まずは、6月16日付AFP通信による南アフリカの最大都市ヨハネスブルクから300キロ以上離れた小さな村、クワフラティでの出来事。村外れで前の週に、牛飼いが水晶のような謎の石を掘り当てたというニュースが広まり、何千もの人たちがこの村にやってきました。政府が「ただの石かもしれない」と警告したにもかかわらず、早朝から大勢の男女が、シャベルやつるはしで土を掘り返したり、素手で必死にかき回したりしているのだそう。
当局は、新型ウイルス対策を理由に石を掘る人々に退去を求めていますが、誰も応じる気配なし! 現在はパトカーが石を掘る人々を監視中。南アフリカの最貧困地域の一つであるクワフラティは、何十年も高い失業率が続いていて、そこに新型コロナが追い打ちをかけてさらに状況が悪化しており、ダイヤモンドが見つかるかもしれないというニュースは、いわば渡りに船。政府は15日地質学と採掘の専門家チームを派遣、石を集めさせて分析していますが、価値があるかどうか今一つ疑わしいよう。
そんな上記の記事を書いていましたら、結局、そのダイヤモンドらしき石は水晶であることがわかりました。採掘に集まった人々は肩を落とし、家に戻ったのでしょうか。
昔からダイヤモンドに似た水晶は世界中で発見されています。おそらく最初にそれを発掘した人は、ダイヤモンドへの期待感が大きく、調査以前に大騒ぎを起こしてしまいます。そのため、ダイヤモンドの名が付いた類似石はたくさんあります。
もう一つは、6月17日付のBBCからボツワナで、史上3番目の大きさと見られる1000カラットを超えるダイヤモンドの原石が発掘されたニュース。ダイヤモンドは首都ハボローネで、16日に行われた式典でも披露されました。ダイヤモンド企業デブスワナ社が発掘したもので、サイズは長さ73mm、幅52mm、厚さ27mm。デブスワナ社はボツワナ政府と大手ダイヤモンドメーカー、デビアス社の合弁会社で、ダイヤモンドの収益は大きな国の財源となっています。ボツワナのレフォコ・モアヒ鉱物資源相は、「新型コロナウイルスの影響で昨年のダイヤモンドの売上が低迷していたところに、絶好のタイミングで今回のダイヤモンドが発掘された」と語っています。2つの国で立て続けに起こったダイヤモンドの話題、貧困層が多いアフリカにおいて「天然ダイヤモンド」は今もなお生活を豊かにしてくれる「希望の光」であることには違いありません。(C)
トップ画像:ハーキマーダイヤモンドのネックレス。ニューヨークで発掘されたダイヤモンドに似た水晶。