No.78 石の中で一番硬いダイヤモンド。「傷つかない」って本当?
BJI ブログ No.78
40年ほど前『ダイアモンドは傷つかない』という名前の小説が一世を風靡、田中美佐子さん主演で映画化もされました。
今ではそのタイトルが独り歩きして、「ダイヤモンドは硬くて傷つかないもの」というイメージが定着しているようです。
ダイヤモンドは、鉱石の硬さを示す数値であるモース硬度で最大値の10であり、他の物質ではなかなか傷をつけることができないのは確か。
実際ダイヤモンドを加工する場合、熟練の職人が同じ硬度を持つダイヤモンドの粉末を使って行うという方法があります。
ですが、ダイヤモンドが絶対に傷つかないというのは誤り。
ダイヤモンドには「劈開性」といって特定の方向に対して垂直方向に割れやすいという性質があります。たとえば、ひっかき傷には強いのですが、ハンマーなどで叩くと簡単に割れてしまいます。
「硬いものだから安心!」と乱雑に扱っているといつの間にか割れてしまっていたということもあるので、普段の取り扱いには十分注意が必要です。
以下、注意すべきポイントを挙げてみました。
1.石のセッティング
立て爪のリングは、四方から光が入り込みダイヤモンドがより美しく輝くと言われています。しかしアームの部分に比べてセンターのダイヤモンドが突き出ているため、ぶつけやすく傷がついたり欠けたりする可能性が高くなります。扱いは、特に慎重に。
地金でダイヤモンドをしっかりと覆うベゼルセッティングや2本の金属の間にダイヤモンドを挟み込むレール留めなどは、立て爪に比べるとダイヤモンドに傷がつきにくいです。
2.身に着ける場所
家の中でジュエリーを着けていると、外にいる時よりも気が緩み、動きも無造作になりがち。ジュエリーを多少ぶつけても気にしなくなったりするし、つけたまま炊事や掃除をしてしまったりして、自覚がないまま傷をつけてしまう可能性もあります。ジュエリーは、外出先から家に戻ったら靴や上着を脱ぐようにすべて外して、ジュエリーボックスなどに保管するのが基本。
これはダイヤモンドだけではなく、他のジュエリーも同様です。
ダイヤモンドが硬いがために、他のジュエリーを傷つけてしまうことも。
3.保管場所
宝石同士がぶつからないようにしまいましょう。ダイヤモンド同士だとお互い傷がつきますし、硬度が4.5のK18ゴールドやプラチナなどと一緒にするとこすれあって、貴金属のほうに細かいキズがついてしまいます。
パール(硬度3)やコハク(硬度2)などは、傷の度合いがさらに深刻なものになってしまいます。
4.重ねづけはNG
エタニティリングと:リングの全周にダイヤモンドを留めているエタニティリング。そこに他のリングを重ねてしまうと、他のリングに傷がつきます。重ねづけだけでなく、隣の指にリングをする場合も傷の原因になることがあるので、避けた方が無難。
他のネックレスと:硬度10のダイヤモンドに4.5の貴金属がこすれあって、貴金属側に傷がつきます。さらに高度の低いパールのネックレスとの重ねづけなどは、もってのほか。
万が一、ダイヤモンドに傷がついてしまったり、既についていた傷に気づいたりしたときには、一度そのダイヤモンドを購入したお店などに相談してみましょう。小さな傷であれば、輝きを取り戻すこともあります。
「永遠の輝き」も完璧なケアをしてこそ続くものなのです。
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