No.82 金属アレルギーを引き起こすのは、ジュエリーばかりではない!?
BJI ブログ No.82
科学の発展とともに、現代では様々なアレルギーが報告されていますね。ジュエリーに関係するものと言えば、金属アレルギー。
軽度なものでは、ジュエリーや時計の金属に当たる部分がかぶれたり、かゆくなったりするもの。ひどい場合は、皮膚が赤くなり水ぶくれの炎症を起こすことも。
特にたくさん汗をかく夏は、金属から微量の金属イオンが溶け出して皮ふに染み込んでいき、結果金属かぶれを引き起こしやすくなります。
アレルギー症状を引き起こしやすい金属として知られるのは、ニッケル、クロム、パラジウム、コバルト。アクセサリーパーツのメッキによく用いられるのがこのニッケルやクロムで、安価で販売されているアクセサリーパーツには、鉄や銅でできたパーツに金色や銀色のメッキが施され、金属アレルギーが出やすいのです。
ジュエリーは、ブローチ以外は肌に直接触れるものなので、アレルギーにはちょっと慎重になってしまう方もいることでしょう。
アレルギーが出にくい素材としては、プラチナ1000やK24ゴールド(純金)、SV1000(純銀)があげられますが、これらの貴金属もジュエリー用に加工しやすくするために、割り金といって他の金属が入っていることがあります(プラチナ900やK18ゴールドなど)。
たとえば、プラチナにはパラジウム、ゴールドには銅と銀(イエローゴールド)、銅とパラジウム(ピンクゴールド)、銀とパラジウム(ホワイトゴールド)が入っているものがあります。そのためアレルギーが心配な方は、その割り金の金属が何なのか細かくチェックしたいところ。
最近では、ジュエリーに使っている貴金属にどんな割り金が入っているかきちんと明示してくれたり、金属アレルギーに着目した商品を製作する良心的なメーカーさんもあるので、そうしたところで購入するのもよいでしょう。
アレルギーフリーとして最近よく名前が出てくるのが、チタン。海水にも強く、電気や熱を通しにくい、金属イオンが溶け出しにくいという性質を持っているため、アレルギーが発症することも少ないようです。
またスターリングシルバーは、シルバー92.5%、銅7.5%と割り金の種類と配合が決まっているので、銅のアレルギーがなければ安心ですね。
食品に含まれている金属でアレルギーが発生することも
ところで、「私はアクセサリーを身につけないから大丈夫」という方、金属アレルギーはジュエリーだけではなく、食品にも含まれていることはご存知でしょうか。
たとえばニッケル、コバルト、クロムは、豆類や雑穀、貝、レバー、香辛料、チョコレート、ココアなどに多く含まれているのです。そのため、「ダイエットや健康のために」と雑穀米を食べて、全身性の金属かぶれを起こす人もいるのです。
他にも歯のかぶせものや詰め物に使われる金属によって、皮膚がかぶれることもありますが、その原因となる金属は、パラジウム、金、銀、水銀。これらは、一般的な保険診療で使われる金属ですが、矯正治療用の装置にも使われていて、それが原因でアレルギー症状を起こす人もいるようです。
ジュエリー、歯の治療、そして食品、普段の生活の中でこれほど金属が入り込んでいるとはちょっと驚き。
これを読んで、どんな金属アレルギーを持っているのかなと気になったら、皮膚科でパッチテストをしてみるのもよさそう。
金属アレルギーの対策としては、アレルギーになりにくい素材を選ぶのはもちろんのこと、汗をかく場面ではアクセサリーを着けない、ジュエリーを始終つけっぱなしにしない、虫歯にならないよう日々歯のケアをすることが必要。
金属との生活、これから先も上手に付き合っていきたいものですね。
シルバー925のジュエリーはアレルギーを引き起こす確率が低いと言われます。とはいえ、肌が弱く、気になる人はタートルネックやシャツカラーの上に着用しましょう。このネックレスはシルバー925のメッシュ状のデザインです。軽やかでしなやかな作りが大人っぽい雰囲気を演出します。イタリア製、ヴィンテージ。¥9,900 BJIオンラインショップで販売中。
トップ画像:チタンを使ったジュエリー。チタンはデザインの可能性を引き出す素材です。Federica Rettore/COUTURE DESIGN AWARDS2019 Innovative 1st(Brand Jewelry Business & Style 2019 August)
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