12月の誕生石、タンザナイト。世界でたった1カ所でしか採れず、10年後には枯渇するかも?
Written by MACHIDA Akemi
ダイヤモンドよりも希少と言われるタンザナイトは、青の中に紫が輝く多色性が魅力。バブル景気時代の大粒で高品質のタンザナイトが買取店で見つかることも。
おしゃれして出かける機会が増えてきました。洋服もジュエリーも新しいものが欲しくなりますね。カラーストーンはこれまでも人気でしたが、希少価値の高いレアなカラーストーンの需要が一段と高まっているようです。
先日放送されたテレビ番組「マツコの知らない世界」では、希少性の高いパライバトルマリンやオパール、ピンクダイヤモンドなどと一緒にタンザナイトが紹介されていました。2年前の放送の回でも取り上げられたタンザナイトですが、今回の放送でジュエリーにそれほど興味のない人にも知れ渡ったようで、タンザナイトをもっと見たいと思った人も多いようです。
深い青の中に紫色が見え隠れする多色性のあるタンザナイトは、12月の誕生石でもあります。ダイヤモンドよりもはるかに希少価値が高いと言われている一番の理由は何でしょうか?
ダイヤモンドはロシア、ボツワナ、南アフリカ共和国、オーストラリアなど多くの国で採れますが、タンザナイトは世界でたった1つの場所、アフリカのタンザニアでしか採れないため希少価値が高まっています。年々、産出量が減っているのに、欲しいという人が世界中にたくさんいます。
サファイアに似たタンザナイト。サファイアも十分美しい宝石ですが、それを凌ぐ美しさとも言われているのがタンザナイトです。サファイアよりも組成が複雑で、宝石の中でも極めて珍しい色調をしています。引き込まれる深い青の色、角度を変えると鮮やかな紫色が見えるところが魅力で、ものによってはピンクや赤みもまれに見えることがあるようです。
タンザナイトは1989年頃から短期間に採掘され、現地では閉山となったところもあるため、ますます希少価値が高まっています。特に大粒のタンザナイトは大変希少です。バブル景気の時代、日本に世界中から良質な宝石が大量に入ってきましたが、その当時の高品質で大粒のタンザナイトが買取店で見つかることもあります。
タンザナイトの始まりは1967年、タンザニア北部のキリマンジャロの山の斜面で、マサイ族の男性が見つけたという説があります。当時はサファイアだと思ったそうで、詳しく分析してみるとゾイサイトという鉱物だということが判明します。
北はケニア、南はモザンビークに囲まれたタンザニア。アフリカ最高峰のキリマンジャロの南のほうに広がるメレラニ地方では、地下30メートルから深いところでは100メートルの深さまで下って採掘が行われていますが、根気のいる仕事で何か月探しても見つからない日が続くこともあるといいます。地質学の専門家によると、今後10年ほどで埋蔵量の全てが採り尽くされてしまうと言われています。
ティファニーが、鉱物の色がタンザニアの夕暮れ時の空の色に似ていることから、タンザナイトと命名して売り出した宝石です。タンザニアのキリンの群れが見られる草原の夕暮れ時は、日本では見られないほどロマンティックだといいます。群青色の空と雲の間から紫の光が射し込むというタンザニアの黄昏時の光景、一度見てみたいですね。
ブルーの中に紫色が煌めくタンザナイトは、晴れて空気が澄んだ冬の季節によく映えます。ゆったりとしたシルエットの洋服が引き続き流行していますが、黒っぽい洋服が多くなる冬のファッションに色味を与えるのは鮮やかなブルーのタンザナイトです。
ベージュのセットアップや、モカブラウンのロングカーディガンなどに合わせると、透明感のあるブルーが高貴な印象を与え、凛とした女性らしさが引き立つでしょう。タンザナイトを身につけると人生を良い方向に導いてくれるという効果もあるそうなので、誕生石関係なく身につけたいですね。
TOP画像:TIFFANY & Co./Brand Jewelry 2012WINTER-2013SPRING
メンバーの方には一足先にお得情報をお知らせします。会員登録はこちから
https://brandjewelry.shop/magazine/usces-member/?usces_page=newmember