12月の誕生石、トルコ石。スリーピングビューティーは、閉山で希少価値が高まっている
Written by MACHIDA Akemi
イラン産、アメリカ産、鉱山によって違う色や模様、質感。あなたの好みはどれ? 明るく陽気なイメージのトルコ石は、シンプルな今のファッションにマッチ。
リラックス効果のあるブルーの色の宝石が人気です。つやつやとした光沢があり、冬の澄んだ青空を切り取ったような水色のトルコ石に、なぜか心惹かれるという人もいるでしょう。
12月の誕生石でもあるトルコ石は、色が濃いもの、薄いもの、模様のスパイダーウェブが入ったものなど、どれも表情豊かで人によって好みが分かれます。混じりけのない青々としたトルコ石を好む人がいる一方で、クモの巣状のスパイダーウェブを好む人もいます。色や模様、質感などさまざまなバリエーションがあるトルコ石は、秘境ビーチリゾートの美しい海底を見るようで、つける人の想像力をかきたてます。
古代エジプトのツタンカーメンの黄金のマスクにも、トルコ石が使われていたという歴史ある宝石です。産地はトルコと思われがちですが、昔イランやエジプトで採れたトルコ石が、トルコ経由でヨーロッパに広がったため、名前にトルコがついています。
主な産地はイラン、アメリカ、メキシコ、中国などがあり、他の宝石と違って鉱山によって色合いや模様が違ってきます。鉱山の名前で価値が変わってくるので、どこの鉱山で採れたかを知りたがる人もいるようです。
混じりけのない明るい空色のイラン産は根強い人気があります。イランは6000年前という古くから、美しいトルコ石が採れる産地として知られています。イラン北東部にあるネイシャブールという鉱山のトンネルを進んでいくと、茶色い母岩石に埋め込まれた鮮やかなトルコ石が見つかります。硬度もあり、耐久性に優れているところもイラン産の特徴です。
アメリカのスリーピングビューティー産は、発色がよく、コマドリの卵の色のような鮮やかなブルーの色をしています。アメリカ西部のアリゾナ州とネバダ州は、良質なトルコ石が採れるところですが、アリゾナ州にあるスリーピングビューティー鉱山は特に有名です。
鉱山を遠くから見渡すと、女性が横になり眠っているように見えることからスリーピングビューティーという名前がつけられました。今は閉山しているため、昔採れたものが少しずつ出回っているという状況なので、今後はますます価値が上がっていくでしょう。
アリゾナ州ではもう1つ、キングマン鉱山が有名です。ラスベガスから車で移動できる距離にあるキングマンでは、鮮やかなブルーに黒や茶色のマトリックスが入ったトルコ石が多く採れ、おもにシルバーに合わせてブレスレットやリングになるジュエリーが多いようです。
澄み渡る空のような解放感のあるブルーのトルコ石は、石そのものが美しいので、光沢や模様を活かしたカボションカットが多くなります。切子面のない滑らかなカットが、トルコ石の輝きを最大限に引き出します。
勇気や成功の象徴でもあるトルコ石。ネイティブアメリカンの間では神聖な石とされ、父から子へと代々受け継がれてきたようです。そんな歴史から、トルコ石は自分で買うよりも親から受け継いだり、人からプレゼントされると神秘的な力が宿ると言われています。
夏につけるイメージが強いという理由で、冬の間は宝石箱にしまったままという人も多いかもしれませんが、トルコ石はむしろ今のシンプルなファッションにマッチする宝石です。明るいエネルギーを放つような爽快なブルーのトルコ石は、冬の黒やグレーが多くなる洋服の差し色になってくれます。特に茶系のチョコレートカラーのニットに合わせると、トルコ石の鮮やかさが際立ちます。
街でトルコ石のピアスをした人とすれ違うことがたまにありますが、きれいなブルーに思わず目がいきます。マスクをしていても揺れるトルコ石のピアスは、顔周りが明るくなるのでおすすめです。トルコ石は色や模様に個性があって選ぶのが楽しくなります。自分の好みに合ったリングやピアスを1つ、2つと集めてみてはいかがでしょうか。
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