SDGs

再利用の素材を使ったスタイリッシュなデザイン。黒人住民への財政支援も行う NY発のジュエリーブランドSVNR(スーベニア)

Written by Brand Jewelry

制作過程で無駄やゴミを出さずに、可愛いジュエリーを作るのが課題

最近、よく聞く「SDGs」という言葉。「Sustainable Development Goals(サスティナブル ディベロップメント ゴールズ)」の略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されています。地球温暖化、飢餓や貧困、ジェンダー、エネルギーなど17の項目について現在さまざまな分野で取り組まれている『世界共通の目標』であるSDGs。当ブログNo.52でも紹介した東京オリンピックのメダルが、自宅の押入で眠っていた「使われなくなった小型家電(携帯電話やヘアドライヤー等)」を回収して作られたのもその一例といえます。こうした取り組みはジュエリーでも進んでおり、「SDGsジュエリー」と呼ばれています。

たとえば、使われなくなった素材を利用したジュエリー。新進気鋭のジュエリーブランド、SVNR(スーベニア)もまたそのひとつです。中でも目を引いたのが、バロックパールに磁器のパーツを使ったイヤリング、”JINGDEZHEN(景徳鎮)”は陶磁器の生産地として知られる中国の景徳鎮に因んで命名されたもので、シノワズリーテイストが魅力です。他にも天然石や貝殻をバランスよくセッティングしたロングイヤリングや動物の骨を素材としたアンティークのアフリカビーズを使ったプリミティブなネックレスなど、どれも洗練されたデザインばかり。

ジュエリーデザイナーは、NY在住のクリティナ タン。元々ファッションPRのショールームを開いていた彼女が、友達のためにちょっとしたお遊びで作ったイヤリングがインスタグラムに投稿され、バイヤーや業界関係者の目に留まり、注文が殺到。それが同ブランド立ち上げのきっかけとなっています。

素材として使われているのは、再利用されたビーズ、シェル、天然素材。環境に負担をかけることなく、新しい範囲のユニークな手作りのイヤリングが、ジュエリーシーンに新しい風を吹き込みました。

2018年12月に受けた『ハーパースバザー』の取材に対し、彼女は「私がジュエリーの素材として使っている貝殻やビーズは、母、叔母、友人が収集していたものから譲り受けたものがほとんど。私は無駄が嫌いな人間で、どんなものでも何らかの方法で再利用できると思っているんです。現在ゴミをゼロにすることは、私のジュエリー製作の過程において非常に重要な部分となっています。過去6か月間、SVNRはジップロックの袋がいっぱいになるほどのゴミは出していないんです。既存のものからかわいいものを作りだすことで環境破壊を少しでも防ぐ一助になればと思っています」と語っています。

ところで、2020年から続くパンデミックは、ブルックリンのベッドフォード-スタイベサント (Bedford-Stuyvesant) (通称 Bed-Stuy-ベッドスタイ)で暮らす黒人たちの生活も脅かしています。そこで、黒人女性4人によって彼らの財政支援を提供する新しい資金調達組織‘Building Black Bed-Stuy’(ビルディング ブラック ベッドスタイ)が設立されました。SVNRもそれに賛同しており、コレクションの一部については、収益の100%がその組織のために使われています。

環境にやさしい、社会貢献に役立つ、しかもスタイリッシュ。まさに「今」にぴったりのジュエリーと言えますね。

トップ画像:https://www.svnrshop.com/

ヴィンテージはSDGsの原点。シルバーを含め貴金属は手入れをしていれば永久的に使えます。シルバーのパーツをつないだネックレス。



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