No.105 ヨーロッパを舞台にしたメジャーダイヤモンド企業の「御曹司なりすまし詐欺事件」
BJI ブログ No.105
Netflixでは、2月2日から配信されているドキュメンタリー映画にも注目が集まっています。タイトルは、『TINDER (ティンダー) 詐欺師: 恋愛は大金を生む』。
世界的に知られるマッチングアプリ、TINDER(ティンダー)を媒介に、イスラエル出身の詐欺師 Shimon Yehuda Hayut(シモン・イェフダ・ハユット)が2018年から2019年にかけてロンドンやアムステルダムなどで起こした詐欺事件の被害者の証言をもとに映像化された作品です。いろいろな名前を持つハユットがこの事件で演じた役柄は、1996年よりニューヨークに本社を置くダイヤモンド業界最大手の企業の1つ、LLDダイヤモンドの創設者のレブ・レビエフの息子Simon Leviev(サイモン・レビエフ)。
同社は、世界中に高級ダイヤモンドジュエリーブティックを、ヨーロッパには大規模なジュエリーチェーンを展開していて、レブ・レビエフ氏には9人の子供がいますが、サイモンという名の息子は実在していません。
被害者は皆Tinderを利用している女性たちで、素敵な出会いを求めていました。
その中の1人、ノルウェー出身でロンドン在住のセシリーの目に留まったのがサイモン。容姿も好みでセレブな暮らしぶりに惹かれた彼女は、すぐさまフォロー。すると即座にマッチングの知らせが届き、会うことに。最初の待ち合わせ場所は、超高級ホテルのフォーシーズンホテル。ソフトな口調、エレガントな振る舞い、プライベートジェットでミニ旅行にも誘われ、セリシーはすっかり彼の虜になってしまいます。
いつもボディーガードや側近に囲まれている姿からもセレブリティであると確信した彼女は、彼からの「敵に狙われていて今クレジットカードが使えないから、お金を貸してほしい。すぐに返すから」という言葉を信じ、多額のお金を貸しますが、返金されずじまい。
騙されたことがわかり茫然自失になったセリシーでしたが、これ以上被害者を出さないためにジャーナリストたちと協力、SNSを通して自身が遭った詐欺事件を発信していきます。SNSには「欲張るからそんなことになる」「自業自得」といった誹謗中傷のコメントに傷つけられる一方で「ひどいことをする人がいる」「頑張って」というエールも送られ、勇気づけられます。
そのSNSからアムステルダム在住のペルニラ、チェコのプラハ在住のアイリーンといった被害者女性たちとも知り合い、ともにサイモンを追い詰めていきます。
それにしてもこの3人は本当にたくましい! 自分が彼女たちの立場に立ったとしたら、こんな行動はとてもとれないでしょう。
その結末については、これからドキュメンタリーを視聴しようという方のために伏せておきたいと思います。
ところで、今回名前を使われたLLDダイヤモンドは、ハユットは会社とは何の関係もないことを確認、広報担当者は、被害者への同情を示しつつ、LLDの社名を悪用したことに対して不快の念を表明。「LLDやその他彼が言ったことは、すべて信用に値しません。当社はこの事件を知ってすぐ、イスラエルの警察に苦情を申し立てました。彼にふさわしい裁きが下ることを望んでいます。」と語っています。
SNSやマッチングアプリを使ったこうした詐欺は泣き寝入りをする人たちが多いのですが、今回は勇気を出して告発してくれた女性たちによってその罪が暴かれました。
このドキュメンタリーが世界中に広まり、このような詐欺事件が少しでも防げるようになればと願うばかりです。
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