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アンティークレースの魅力を伝える展示会、2022年7月14日(木)~8月2日(火)。オートクチュールストールブランドVINITIQUE(ヴィニティーク)

Written by Machida Akemi

糸の宝石と言われる繊細な手仕事、アンティークレースの魅力をインスタレーションで展示。期間中は、1枚1枚ハンドメイドで仕立てられたVINITIQUEのストールの販売も行われる。


いつの時代も女性を美しく魅力的に見せてきたのがレースです。現代でも洋服やハンカチ、ポーチなどにも使われていて、レースが大好きという人は多いでしょう。

レースは現在では機械織りが主流ですが、アンティークレースは熟練の職人が手作業で生み出した芸術品です。手仕事とは思えないほど丹精込めて作られたアンティークレースは時代を超えて人の心を捉えます。

フランス・ボルドーで誕生し、現在は東京を拠点とするオートクチュールストールブランドVINITIQUE(ヴィニティーク)によるアンティークレースの魅力を伝える展示会が、2022年7月14日(木)~8月2日(火)、長野県御代田町の複合施設「MMoP(モップ)」(旧メルシャン軽井沢美術館跡地)内の「lagom(ラーゴム)」にて開催されます。

貴重なシルクレースを用いたストール。

VINITIQUEは、瀬口美香さんが立ち上げたオートクチュールストールのブランドで、2006年にボルドーのワイン畑の中にアトリエを構え、ストール作りを開始したのが始まりです。2014年には、明治神宮の杜を望む小さな空間に、オートクチュールストールサロンをオープンします。

急速に失われていく伝統や素材を新しい視点で捉え、再制作することを目標にし、フランスやイタリア、日本の貴重な天然素材を用いて、手作業でストールやショールを中心としたファッションアイテムを仕立ています。

瀬口さんは、アンティークレースの世界的なコレクターであるダイアン・クライス女史に出会ったことをきっかけに、2019年から希少なレースを現代に蘇らせるプロジェクトをスタートさせます。

かつて、中世ヨーロッパの王侯貴族たちの間で、富と権力の象徴として流行したのがレースです。ナポレオンのような細かなレースになると、3㎝のレースを作るのに1か月もかかることもあったようで、職人が長い時間をかけて手作業によって生み出されたレースは、時には宝石をしのぐほどの価値を持ったといいます。

貴族たちは高価なレースを買い求め、それに応えるようにレース職人の技術が向上していき、さまざまな華麗な作品が多く生み出されました。糸の宝石とも言われている繊細なアンティークレースですが、現在ではその技法は失われつつあります。

VINITIQUE は2021年、資生堂ザ・ギンザ スペースにて、19世紀ベルギーで制作されたブリュッセル・アプリケーションレースの手仕事とは信じがたい精緻な模様を、独自に開発したレトロな投写装置を用いて、壁面天井全体に映し出すインスタレーション作品を発表しました。今回もこのインスタレーションを再展示します。

また新しい試みとして、期間限定で実体顕微鏡に特殊カメラを接続し、レースの拡大画像を撮影した写真作品を発表します(7月25日(月)~8月2日(火))。名もなき職人たちがルーペも使わずに、向上心の末にたどり着いた技の極みが見て取れます。

「ウォー・レース」も見どころの1つです。第一次世界大戦が始まると、ベルギーの5万人にも及ぶレース職人の生活は一変しました。それを救うために、のちのアメリカ第31代大統領ハーバート・クラーク・フーヴァーによってベルギー救済委員会が設立され、糸と食料が職人に配られ、レース産業の維持が図られました。この時期にベルギーで作られたものを「ウォー・レース」と呼び、世界平和への深いメッセージが込められています。

会場内には同じく19世紀に作られたオルゴール「ステラ」(河口湖音楽と森の美術館蔵)も特別に展示され、繊細な音色が空間を彩ります。期間中は、1枚1枚ハンドメイドで仕立てられたVINITIQUEのストールの展示販売も行われます。

MMoP(旧メルシャン軽井沢美術館跡地)


オートクチュールストールブランドVINITIQUE(ヴィニティーク)によるアンティークレースの魅力を伝える展示会

<会場>
会期 2022年7月14日(木)~8月2日(火)
会場 長野県御代田町MMoP(旧メルシャン軽井沢美術館跡地)内Lagom https://mmop.jp/
住所 長野県北佐久郡御代田町大字馬瀬口1794-1

【お問い合わせ】
lagom(ラーゴム )
TEL 0267-31-0737
営業時間 9:00~16:00
定休日 水曜日
https://lagom-miyota.com/

トップ画像:右・ブリュッセル・アプリケーションレース(ベルギー・ 19世紀)左・2021 資生堂ザ・ギンザ スペースにおけるインスタレーション

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