No.142 アマゾンとカルティエ、偽「ラブ」ブレスレットを巡り、インフルエンサーと出店者を訴える
BJI ブログ No.142
インターネットショッピングが普及してすでに30年近い月日が流れました。当初はネットでの購入にとても慎重でしたが、今ではスマホ片手にあまり抵抗感なくポチっとしてしまう自分がいます。特にお目当ての品が「アウトレット価格」や「並行輸入品」だったりすると、公式サイトよりも安く手に入った時は得した気分になったりして。ただそれが偽ブランドだったり、コピー品だったりすることもあるので、あまりに安すぎる場合は「おや?」と一旦冷静に考える時間も必要ですね。
そんな中、最近アメリカでネットショッピングサイト最大手のアマゾンがカルティエとともに偽ブランドに対して訴訟を起こしたというニュースが目に留まりました。
2022年6月16日付アメリカの宝石業界誌『ナショナル・ジュエラー(National Jeweller)』サイトの記事によると、カルティエとアマゾンは、ソーシャルメディアのインフルエンサーと少数のアマゾンの出店者が共謀して偽造検出ツールを回避するために、アマゾンストアの製品のリストページにブランド名を記載せず、偽のカルティエジュエリーを販売していたとして、共同で訴訟を起こしたということです。
アマゾンはその訴訟において、インフルエンサー(被告)は、2020年6月から2021年6月までの間インスタグラムのアカウント名@phmn9y3vを運営し、そこでカルティエの登録商標を許可なく使用し、偽のカルティエのブレスレット、ネックレス、リングの写真を投稿、アマゾンや他のウェブサイトにアクセスするリンクに消費者を誘導していたと訴えています。
たとえば、カルティエの超人気アイテム「ラブ」ブレスレット。インスタグラムの投稿からリンクしているアマゾンのページでは、「レディースファッション クラシック スクリュー ラブ チタンブレスレット」と表示しブレスレットを掲載、29.99ドルで販売していました。「カルティエ」という名前の記載はなくても、消費者には「カルティエ」のブレスレットが受け取れるように見せかけ、偽の商品を届けていたのです。
インスタグラムに掲載されている「ラブ」ブレスレットの画像は、本家本元のカルティエによれば、シリアルナンバーやデザインから即「偽物」であると判明できますが、素人目には全くわかりません。
訴訟によると、アマゾンのページには「ラブ」ブレスレットのシグネチャーであるスクリューモチーフがわからないようにきれいに消された画像が含まれていたということです。
アマゾンの偽造犯罪ユニットの法務担当のKebharu Smith(ケブハル・スミス)氏は、「アマゾンは、偽造者に対して先手を打った形で次々と刷新を進め、ブランドや法執行機関と協力して悪意のある人物をアマゾンから追放するだけでなく、永久に消滅させたいと思っています」と語っています。
日本でもソーシャルメディアを見ていると、時に「おしゃれなのにとても値段が手ごろな服」や「高級ブランドバッグがまさかのこの価格」を謳ったサイトが目に飛び込んでくることがありますね。
大手ソーシャルメディアだと安心して、ついサイトを覗いてしまうこともありますが、でも買うのはちょっと待って。偽ブランドだったり、悪質な業者だったりすることもあるのだから。
特にジュエリーなど値段が張るものはそのサイトだけではなく、他もチェックしてよく検討してから購入したいものです。
Top画像:www.nationaljeweler.com
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