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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

No.146 ロックダウンは新作のチャンス!ガーデン作りから誕生した遊び心あふれるジュエリー、コーラ・シェイバニ

BJI ブログ No.146

サザビーズは、アメリカ・ニューヨーク州イーストハンプトンのギャラリーで8月11日から21日まで、ロンドンを拠点とするジュエラー CORA SHEIBANI(コーラ・シェイバニ)の最新コレクションの展示会を開催しています。

シェイバニは、スイスの伝説的な画商Bruno Bischofberger(ブルーノ・ビショフベルガー)の娘。古代の宝物から収集価値のある家具、現代の傑作までさまざまな美術品に囲まれて育ちました。ビショフベルガーといえば、アンディ・ウォーホルやジャン=ミシェル・バスキアと親交があった画商としても知られ、コーラも幼少期にウォホールに肖像画を描いてもらったり、ガレージでバスキアと一緒に絵を描いたりしたことがあるそう。

幼い頃からジュエリーが大好きだったという彼女は、フィレンツェとニューヨークで美術史を学んだ後、2001年にロンドンに移り、ロンドンの GIA(米国宝石学会)に入学して宝石学を学び、翌年ロンドンのメイフェアで開催された展示会で、自身の名を冠したジュエリー ブランドを発表しました。現在は、夫と3人の子供と暮らすケンジントンで仕事をしています。

彼女の作品はアイスクリームをイメージしたマラカイトやピンクオパールのカボションを使った「アイスクリーム」リング、オレンジスピネルやブルーサファイアをミックスベリータルトのようにセッティングした「ミックスベリーリング」など、大胆で遊び心にあふれているのが特徴。

さらに、依頼している職人の技量レベルが高いことも見逃せません。ひとつひとつの作品は彼女のスケッチから始まり、スイスの熟練した職人によって作られています。

今回サザビーズで披露されているコレクション、「Pottering around(ポタリング アラウンドー家でのんびり土いじり)」は、ロックダウンの休息の間、ロンドンにある自宅の庭にさまざまな植物の鉢を置いて楽しんでいた時に、ふと植物のスケッチをしたものをジュエリーデザインへ昇華したもの。

そのデザインにさらに「ポット」(花の鉢)というアイデアを追加することでユニークな作品が完成しました。

たとえば、鉢の形にカットされたスノーフレークオブシディアンに、花びらのようにトルマリンをセッティングして花の鉢から滴のように上下に揺れるイヤリングは、ドラマチックなシルエットを創り出します。

両サイドに台形の白い十字のラインが入った小石をセッティングし、センターにスクエアカットのスモーキークォーツをゴールドとブロンズの枠でセッティングしたカフスブレスレットは、個性的でモダンな手元を演出してくれます。

さらに興味深いのが、鉢と植物のリング。土台となる鉢の部分がリングになっていて、上部の植物のパーツは外して、別の植物パーツをセットすることができる、つまり植物をある鉢から別の鉢にpottering(植え替えできる)リングになっています。

同じようなデザインのイヤリングもあり、鉢には化石化した恐竜の骨を、植物の部分には緑のアルミニウムを使用するなど、異素材を使いながらもチープ感がなく完成度の高いウェアラブルアートといった感じです。

彼女はアートとデザインに深く影響を受けていますが、「アーティストではない」ときっぱり。「オブジェとして、見せるためのジュエリーは作りません。身に着ける人を引き立てるためのジュエリーを作りたいのです」と語っています。

まだ日本には未上陸の彼女の作品、いつか見てみたいものですね。

Top画像出典:www.corasheibani.com

吹きガラスの中でクジャクの羽が揺れるピアス(シングル)。イヤリングもあり。モカ・アルぺジオ¥9,900
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