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モナコのレポシ、フェアトレードのサファイアを使った新しいコレクションを発表。女性鉱山労働者の自立を支える

Written by Brand Jewelry

1920年創業のモナコ王室御用達ジュエラー、レポシ(Repossi)。ダイアナ元妃が、交際相手だっドディ・アルファイド氏(Dodi Al Fayed)と同店で婚約指輪を選んだことや、2011年モナコに嫁いだシャルレーヌ王妃がアルベール2世から贈られた3カラットのダイヤモンドの婚約指輪で話題となりました。

現在は、2007年21歳の若さでレポシのコレクションのアーティスティック・ディレクターに就任した4代目ガイア・レポシが中心となり、古今東西のさまざまな文化を取り入れながら、無駄をそぎおとしたミニマルなデザインが特徴のコレクションを手掛けています。

アーティスティック・ディレクター就任15周年を迎えた2022年春「Chromatic Sapphires(クロマティック サファイア」という新しいコレクションを発表しました。このコレクションに使われている15個のサファイアはすべて非加熱のもので、発掘されたのは北タンザニアのウンバ バレー。これらのサファイアの興味深い点は、照明によってピンクからグリーンに変化する色相を変化させる特異な性質を持ち、さらにレポシ社は採掘に携わった女性鉱山労働者たちとも交流し、公正な対価を支払っているということ。

灼熱の太陽の下、朝から晩までつるはしとシャベルで土をこすり落とし宝石を採掘する作業は非常に過酷で、それに対し公正な報酬を受けることは当然です。しかしながら現実はそれとはほど遠いものです。特に女性の採掘者の状況は劣悪です。世界中の鉱山労働者総数の3分の1を占めると言われる女性鉱山労働者は、採掘と農業と両方の仕事をしている人が多く、自分が採掘している宝石についてはほとんど何も知らないということです。

その現実を白日の下にさらすという意図もあり、製作されたクロマティック サファイア コレクションは、Moyo Gems(モヨ ジェムス)との協力によって実現しました。Moyoとは、タンザニアとケニアの主流となっているスワヒリ語やアフリカ大陸周辺の言語で「心」を意味し、Moyo Gems は「心からの宝石」という意味合いを持っています。

Moyo Gemsは、女性鉱山労働者が国際的なバイヤーと直接つながるのを支援するプログラムとして東アフリカで誕生しました。女性がより安全に働き、より良く採掘できるよう支援すると同時に、経済的安定を与え、宝石の公平な市場を創ることに取り組んでいます。

たとえば、一般的に彼女たちの労働対価は、事前に賃金が合意されているにのにも拘らずそれは実行されず、合意賃金の平均10~30%と言われますが、Moyo Gemsでは95%支払うようにしています。

さらにMoyo Gemsは他の団体ともタッグを組み運営されています。非営利団体PactとTAWOMA (タンザニア女性鉱夫協会) は、貧困と疎外の影響を受けた人々が自力で課題を克服できるようにする活動を行っていますが、彼らの協力により国際的な宝石取引業者(ANZA、Nineteen48、Maison Piatなど)も参加しています。

Moyo Gems は定期的に販売会を開催し、鉱山労働者と地元のブローカーとの交渉を通じて、最終的に提携する国際的な宝石取引業者に宝石を販売するシステムを作っています。税金も鉱山労働者に代わってタンザニア政府に支払います。その後、国際的なジュエリーサプライヤーが宝石を輸出し、レポシのようなブランドに販売されます。

Moyo Gems のプラットフォームで特徴的なのは、非営利サービスを拡大するために慈善活動も受け入れ、レポシのような企業に協力を煽っているところです。世界中の多くのジュエリー業者から大量の注文を受注し成長しつつあります。

ガイア・レポシは「Moyo Gemsのような考えは、私たちを正しい方向へと導いていくもの。ジュエリー業界の着実な進歩を支えるためには、気づきがとても大切です。私たちは物事を変えることに責任があります。たとえ小さくても同じ方向を向いて継続していくことで、未来は進化していきます」と語っています。

Top画像:repossi.com
原文:The Jewellery Editor

桜のように愛らしいピンクダイヤモンドが浮び上がるリング。ピンクダイヤをセットしたセンター部分は直径が約4mmあり、ピンク色が手元に広がります。ショップはこちら。

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