No.194 ディートリッヒが愛用したヴァン クリーフ&アーペルのブレスレットがオークションへ
BJI ブログ No.194
華やかなハリウッドスターには、ジュエリーがよく似合います。
映画のワンシーンやセレブが集まるパーティでは、誰が何を身に着けているかが話題となるのは世の常。今年のアカデミー賞授賞式でも、ハイブランドのドレスとジュエリーで登場するセレブの様子が話題となりました。
そして今、注目されているのが、ゴージャスなヴァン クリーフ&アーペルのルビーとダイヤモンドのブレスレット。往年の大スター、マレーネ・ディートリッヒが、アカデミー賞の授賞式とヒッチコックが監督をした『舞台恐怖症』で着用していたものです。
それが、2023年6月7日にクリスティーズ ニューヨークのオークションにかけられることになったのです。ドレスやジュエリーは、ジュエラーが自社ブランドのPRとしてスターに貸し出す形式での着用もありますが、このブレスレットは、彼女が1937年にヴァン クリーフ&アーペルから購入した「ジャルティエール」と呼ばれるもの。
プラチナ枠にクッション型の非加熱の天然ビルマ産ルビー、そしてラウンド、シングル、長方形、バゲットカットのダイヤモンドがセットされていて、当時のディートリッヒのセレブぶりがうかがえます。
ジャルティエール(jartiere)とは、フランス語で「ガーター(靴下留め)」を意味し、フランスの結婚式では、花嫁が白いウエディングドレスに白いストッキングを履き、それを白いレースが施されたガーターベルトでとめるという習慣があります。
そこからインスパイアされたこのブレスレットのデザインは、その後ウィンザー公爵が結婚式に妻ウォリス・シンプソンに贈ったサファイアとダイヤモンドのジャルティエールブレスレットへと受け継がれていきます。
晩年、ディートリッヒは、1987年の税金の返済などを解決するべく、宝石の一部を売却しました。その5年後彼女が亡くなったとき残っていた唯一のジュエリーが、ジャルティエールのブレスレットだったとか。ディートリッヒの、このブレスレットへの思い入れの強さが感じられるエピソードですね。
金庫に大事に保管されていたこのブレスレットは、1992年サザビーズのオークションで売却されましたが、売却先は匿名とされていました。
そして2023年、クリスティーズにおいて、インテリアデザイナー&ジュエリーコレクターのアン・アイゼンハワーのジュエリーコレクションのオークションとして再び姿を現すことになったのです。
アン・アイゼンハワーは、第34代アメリカ合衆国大統領のドワイト・デイヴィッド・アイゼンハワーの孫娘で2022年に他界。オークションでは、このブレスレットを含めカルティエやティファニーなど彼女の遺したコレクション合計31点が出品されるということです。
映画『舞台恐怖症』は日本未公開ですが、DVDやアマゾンプライムで視聴可能。巨匠ヒッチコックがハリウッドからイギリスに戻って撮った映画で、ヒッチコック自身は後日談で「失敗作」と言っていますが、見てみたい。なんといってもディートリッヒが、ヴァン・クリーフ&アーペルのジャルティエールを着けているのだから。 今夜は、ディートリッヒがどの場面でそのブレスレットを着けているのか確認したいと思います。
トップ画像出典:vancleefarpels.com/jp CHRISTIE’S IMAGES LIMITED 2023
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