BJI ブログ

ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

No.213 クラウンジュエルからオードリー・ヘプバーン。ロンドンで今注目のジュエリーとファッションの展示会

BJI ブログ No.213

ロンドン塔のジュエルハウスが改修工事を終え、2023年5月26日新たな展示をスタート。改修には、ロンドン塔など空き家となっている王宮を管理する組織、ヒストリック・ロイヤル・パレスと、かつて英国御用達のクラウンジュエラーであったガラードによるもので、4年の歳月と約3億5千万円の費用が投じられているそうです。

時代のニーズをしっかり取り込み、視覚障害のある来場者に向けた展示も充実。触ることで感知できる3Dモデルの設置したり、展覧会の導線もアクセスしやすくしています。

たとえば3,106カラットのカリナン・ダイヤモンドと、そこから切り出された大粒の石 9個の3D樹脂モデルが展示パネルに取り付けられ、来場者が実際にそれを触ることができるようになっています。もちろん本物のカリナンも、ガラス越しに見ることができます!

展示品に関する歴史や、ストーリーがより詳しく説明されている点も興味深いところ。

イギリスの戴冠式は、1066年ハロルド2世がロンドンのウェストミンスター寺院で初めて行い、ある一時期を除き1,000年以上にわたり中世様式の儀式が継承されてきました。

ある一時期とは、清教徒革命によって王が追放され、オリバー・クロムウェルが統治していた期間のこと。クロムウェルが共和国を樹立した1649年、それ以前に作られた王冠はすべて破壊されてしまいました。宝石は売却、金枠は溶かされ、「イギリス連邦」と刻印されたコインに変わりました。その時、王冠を溶かすために使用された小さなるつぼが、同時代のコインと並んで展示されています。コインには、王冠の金の残骸が含まれているとか。

クロムウェルの死後、王政復古により1661年戴冠式が復活。という歴史により、ロンドン塔に現在あるコレクションの多くは、1660年代以降に制作されたものです。

ここには、もちろん、以前からインドへの返却を求められている「コ・イ・ヌール」も展示されています。会場では、インドからイギリスまでの宝石の経路がデジタル地図で見ることができます。

新しい展示品としては、ジョージ1世、ジョージ4世、ヴィクトリア女王のために作られた金の王冠(宝石ははずされている)があります。特に1821年7月、かつてないほど華やかな戴冠式を挙げたジョージ4世の王冠の巨大さにはびっくりするとか。

ケンジントン宮殿、ヘプバーンのドレスを展示

ヒストリック・ロイヤル・パレスとガラードのコラボによるイベントは、ロンドンのケンジントン宮殿でも開催されています。中でも10月29日まで開催の「クラウン・トゥ・クチュール」展は、オードリー・ヘプバーンのファンにおすすめ。ヘプバーンが映画『ローマの休日』でアカデミー賞受賞した時に着用していたドレスをはじめ、セレブ達のドレスからコート、スーツ、ハンドバッグ、ジュエリーに至るまで200点を超えるアイテムを見ることができます。

2021年のメットガラで、リアーナがはめて注目を集めた「ルベルブラック」という名の5カラットのダイヤモンドリング、ビヨンセが着用したマーガレットサファイアとダイヤモンドのネックレスのレプリカ(ガラードが製作)、エリザベス女王が着用していたカリナンⅤのブローチなどがずらり。

ブログNo.211でパリの「アール・ヌーヴォー展」を紹介しましたが、このロンドンの展示会も見てみたい!2023年の夏は、ロンドン、パリのジュエリー展示会巡りもいいかも…です。

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画像出展元:www.vogue.co.uk


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