ハリー・ウィンストンのドラマティックな人生を描いた伝記、「キング・オブ・ダイヤモンド」今秋アマゾンから発売
Text=Muramatsu Chihiro
ハリー・ウィンストン、ダイヤモンドに人生をかけた成功者の実話。
ハリー・ウィンストンと言えば、だれもが知るニューヨーク5番街に拠点を置く高級宝石店。創業者のハリー・ウィンストンは、自身の名を冠したこのブランドを一代で世界に名だたるハイジュエリーブランドへと押し上げました。
1896年宝石店を経営する貧しいウクライナ系ユダヤ人移民の息子として生まれた彼は、少年時代から宝石ビジネスの才覚を発揮、1932年には大統領や王族を顧客とする宝飾商へと成長していきます。
ハリウッド女優や欧米のセレブたちが顧客として名を連ね、726カラットの巨大な「ヨンカー ダイヤモンド」の原石を12個の石にカットしたり、呪いのダイヤモンド「ホープ」の逸話等、常に華やかな話題を振りまいてきました。
2023年9月には、彼の伝記「King of Diamonds: Harry Winston, the Definitive Biography of an American Icon(キング・オブ・ダイヤモンド-アメリカの象徴の伝記 決定版)」が発刊されることになりました。
彼に関する著書は過去にも長男ロナルド・ウィンストンが共著という形で、「ハリー・ウインストン―伝説のダイヤモンド商」(1986年) 、「ハリー・ウインストン―その生涯と作品」(1996年)が発刊(現在いずれも絶版)されています。
今回は、ロナルドと作家※ウィリアム・スタディエムとの共著によるもの。ハリーの生涯はもちろんのこと、ハーバード大学で教育を受けニューヨーク大学で一時ロケットについて研究していたロナルドが、ハリーの後継者として彼の下で働いていた際、息子から見た父の驚くべき功績を語っています。
ロナルドは、ブランドの拠点をロサンゼルス、ハワイ、日本、中国へと拡大し、宣伝活動としてレッドカーペットでのジュエリーの露出にも力を入れました。オスカーなどのイベントでスターにジュエリーの貸し出しを始めたのは、彼だと言われています。
ハリーが1978年に亡くなった後、会社の経営権を巡って次男ブルースとの10年の長きにわたる激しい法廷闘争にも触れています。この闘争劇は、2000年ロナルドがブルースの株を買収することで決着がつきました。2008年同社の重役を退いたロナルドはこの本の執筆を始め、ついに完成したというわけです。
『キング・オブ・ダイヤモンド』の発売予定は2023年9月19日。日本でもアマゾンから購入可能です。
ただし英語版ですので、要注意!日本語の翻訳版が出るといいですね。
※ウィリアム・スタディエム
著書としては、『フランク・シナトラとの私の人生』『マリリン・モンロー・コンフィデンシャル』など。エリザベス・テイラーの最後の主演作『 ヤング・トスカニーニ』、 テレビシリーズ『 LAの法則』では脚本家としてクレジットされている。
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