NO.264 ティファニーが魅せられた、2つのグリーン系ガーネット
Text=Brand Jewelry
1月の誕生石、ガーネットの魅力を取り上げる第2弾。今回はガーネットの中でも今注目されている希少価値の高いグリーン系のガーネット、ツァボライトとデマントイドガーネットの魅力に迫ってみました。
1967年にタンザニアで初めて発見されたツァボライト
ツァボライトの宝石名は、グリーングロッシュラーガーネットと言います。透明感があり鮮やかな緑色はエメラルドにも匹敵するほどで、宝石バイヤーたちを魅了します。
1974年、ティファニーがこの宝石に関して大々的なマーケティングキャンペーンを打ち出したことにより、またたく間に世界中にその名が知られるようになりました。「ツァボライト」という名前は、産地のひとつであるケニア、ツァボイースト国立公園に因んで、ティファニーが命名したもの。
ティファニーは、この宝石を使ってさまざまなジュエリーを発表しています。中でも印象的なのは、2016年の『ティファニー・ブルーブックコレクション』にも掲載されたヒトデのカフバングル。ツァボライト、サファイア、ダイヤモンドがそれぞれびっしりと敷き詰められた3匹のヒトデが合わさった、のびやかなデザインです。
ケニヤ、タンザニア、マダガスカル、ザンビアなど、50か所ほどの鉱床が発見されていますが、ビジネスとして成立している鉱山はわずか。希少と言われる所以です。
1853年ロシアのウラル山脈で発見されたデマントイドガーネット
デマントイドガーネットの光の広がりの強さを表す分散度は0.057。分散度が0.04のダイヤモンドをしのぐ輝きが、ロシア皇帝を始め多くの王族貴族を魅了しました。グリーンダイヤモンドによく似ていることから、オランダ語のダイヤモンド=Demantから、Demantoid(デマントイド)という名前が付けられました。
デマントイドガーネットの光の屈折率は、ダイヤモンドの2.149には劣りますが、1.76~1.77のサファイアやルビーよりも高い1.70~1.89。その強い輝きが当時の貴族たちを夢中にさせたのかもしれません。インペリアル・イースター・エッグの製作者としても知られる金細工師ファベルジェも好んで使用しました。「春の花々」と題された作品の花のめしべの部分にあしらっています。ティファニーの宝石研究者クンツ博士もこの宝石を愛し、原石を買い占めるためにロシアにわざわざ足を運んだとか。
ロシア革命によるロマノフ王朝の崩壊とともに、1917年以降、鉱山は閉山。現在市場に出回っている量は少なく、かつてのロシア産の良質なものは稀です。しかも小粒のカット石が主流で、1カラット以上のものはなかなかお目にかかれないようです。
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TOP画像出展:デマントイドガーネット
オリジナルポーチ。春から初夏にかけて、花々が咲き誇る風景。そこに、ブルートパーズやガーネット、さらに緑色の宝石を羽に散りばめたバタフライ。どこかにジュエリーをアクセントにしているのがこのポーチのデザインの特徴。両面とも同じプリントです。内側は柔らかなポリエステル。コスメ、ハンカチ、アクセサリーなど身の回りのものがたっぷり入り、人に見せたくなるポーチです。日本製。
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