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NO.303 5月の誕生石は、日本の国石のヒスイ。色が育つといわれる宝石

ヒスイは緑色のイメージが強いですが、純粋なものは実は無色。そこに金属イオンが含まれることにより、緑、青、赤、黄、オレンジ、紫、黒などさまざまな色に変化します。

5月の誕生石というと、エメラルドを思い浮かべる人が多いでしょう。日本ではエメラルドのほかにヒスイも誕生石として認定されています。

ヒスイには、ジェダイト(硬玉)とネフライト(軟玉)の2種類があり、誕生石、国石としてのヒスイはジェダイトであることは、ブログNo.193 https://brandjewelry.shop/magazine/blog-193/  でもご紹介した通り。

今回は、日本で一般的なヒスイ、ジェダイトについて取り上げます。ヒスイは緑色のイメージが強いです。ところが、純粋なものは実は無色。そこに金属イオンが含まれることにより、緑、青、赤、黄、オレンジ、紫、黒などさまざまな色に変化します。

中国ではヒスイといえばネフライトが一般的ですが、17世紀清王朝初期にビルマ(現在のミャンマー)からジェダイトがもたらされたところ、その豊かな色彩は当時の人々を魅了。漢字で「翡翠」と表記される小鳥のカワセミのような鮮やかな赤や緑、青に因んで、翡翠玉と呼ばれるようになりました。

特に艶のある透明感のある緑色は人気を博し、宮廷の后妃たちに愛されました。中でも西太后のジェダイト好きは有名です。西太后も好んだ美しいヒスイは「琅玕(ろうかん)」別名「インペリアルジェード」とも言われ高く評価されています。

緑色のほかにも柔らかな紫色のラベンダーヒスイは欧米で人気があり、無色透明のアイスヒスイは中国では「成功へと導く石」と呼ばれ愛用されています。

主要な産地は、ミャンマー、グアテマラ、そして日本が挙げられます。特にミャンマーは、世界的に最も有名なジェダイトの産地。高品質なものが多く産出され、輸出産業において重要な役割を占めています。そのほとんどが中国の市場に向けたものです。緑色のほかに、鉄分を多く含む赤やオレンジが産出されているのもミャンマー産の特徴です。

グアテマラでは古代からネフライトとジェダイトの両方を使用していた形跡があります。古代マヤの王墓から発見された副葬品「ヒスイの仮面」にも見られるように、宗教的・装飾的な出土品が多数発見されています。緑色に加えて紫色や水色、黄緑色などさまざまな希少な色のジェダイトが産出されています。

日本では、新潟県、鳥取県、兵庫県、岡山県、長崎県、北海道など10か所から産出。特に質・量ともに評価が高いのは新潟県糸魚川周辺のものです。ミャンマーに比べると産出量は少ないですが、品質の高いジェダイトが見つかっています。糸魚川では約5000年前の縄文時代から、ヒスイを装飾品に加工、交易していたと推測され、日本は世界最古の「ヒスイの文化発祥地」といわれています。

「色が育つ宝石」といわれるヒスイ。その理由は、肌の油分によりヒスイの表面につやが増すため。一方乾燥はヒスイの大敵。ヒスイの中の水分や油分が蒸発すると、石の透明度が低下したり、欠けや割れの原因になります。それを防ぐためにも、日常的に身に着けてあげたいもの。ただし、身に着けた後は柔らかい布で優しく拭いてあげることをお忘れなく。

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ゴールドに天然真珠を配したブローチ。19世紀制作のアンティークです。真珠の養殖技術が成功する以前のものなので、天然真珠です。そのため小粒です。ゴールドは厚みがあります。中心のラッキーモチーフの馬蹄です。
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