SDGs

ダイヤモンドバッテリー。長期間、充電不要の電池の実態

Written by Brand Jewelry

夢のようなプロジェクトで投資家を引きつけたIT会社。充電不用のダイヤモンドバッテリーは、大掛かりな詐欺であることが判明!

SDGsの世の中、車も徐々にEV車へとシフトしています。でも日本国内ではまだまだ充電するための電気スタンドが少なく、伸び悩んでいる状況にあります。

そんな中で注目されているのが、当サイトのブログNo.135No.231 でも取り上げた合成ダイヤモンドによる半導体。国内ではトヨタ自動車がトヨタ・デンソーと共同で設立した会社ミライズテクノロジーズで研究開始を行っています。

合成ダイヤモンドは、バッテリーとしても優秀です。2016年イギリスのブリストル大学の研究チームが、炭素14と呼ばれる自然界でも広く見られる比較的安全な放射性物質を含む合成ダイヤモンドを使い、プロトタイプを開発しました。ダイヤモンドバッテリーの原理は、アイソトープ(放射性同位元素)の崩壊から生じた電子がダイヤモンドを通過する際に発生する電気エネルギー。ダイヤモンド自体が放射線を遮断するため電池自体も安全で、化学反応を伴わないため爆発や漏れのリスクも低いという特徴があります。出力があまり高くないので、体内に埋め込まれるタイプの医療機器などに活用されることが期待されています。

そんな中、2020年に90年もの間、EV車の充電する必要がないダイヤモンドバッテリーの開発のニュースがアメリカで話題となりました。 原子力発電所から出る放射性廃棄物の排出がない化石燃料や、リチウムのように環境に負荷を与えることがなく、太陽電池のように天候に左右されることもない、というまさに夢のようなバッテリー。核廃棄物をリサイクルできるという点も賛同できます。

このバッテリーを開発したのは、カリフォルニア州のスタートアップ企業ナノダイヤモンドバッテリー(NDB Inc.)。NDBはすでに「ダイヤモンド核電池」と呼ばれるプロトタイプも完成し、今後EV車はもちろん、様々な用途に利用されるというふれこみでした。

たとえば、スマートフォン。NDB最高戦略責任者(CSO)ニール・ナイカー氏によれば、このダイヤモンド電池を使えば、丸10年間充電する必要がないとのこと。核燃料廃棄物を利用しているということから、人体に影響があるのでは?という懸念もありますが、その点についてナイカー氏は「この放射性ダイヤモンドは非常に耐久性の高い合成ダイヤモンドの複数のコーティングで包まれており、人体にとって100%安全」と太鼓判を押していました。

NDBが掲げるこうしたアイデアについて、テクノロジー界から「NDBのバッテリーは本当に開発者たちが言うような有効性を持つほど、十分な出力があるのだろうか」という疑問の声が上がっていました。

そして2024年、夢のようなダイヤモンドバッテリーは、実は大規模な詐欺であることが判明。NDPは最終的に所轄官庁によって告発され、調査を受けることになったということです。

その結末に、正直すごくがっかりしました。でも今後、このアイデアが実現することに期待したいと思います。人が思い描いたことは、いつか必ず現実になっているのは歴史が証明しているのだから。


画像出典: www.digitaltrends.com

イギリス王室の女性たちからハリウッド女優まで、カジュアルスタイルで愛用されるイギリス発のSDGS重視のアクセサリーブランド。ショップはこちら。

メンバーの方には一足先にお得情報をお知らせします。会員登録はこちから
https://brandjewelry.shop/magazine/usces-member/?usces_page=newmember

関連記事一覧

Translate »