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NO.306 6月の誕生石、アレキサンドライト。光源の違いによって色の変化が楽しめる宝石

6月の誕生石といえば、真っ先に浮かぶのはパール。実はその他にムーンストーン、アレキサンドライトも6月の誕生石です。中でもクリソベリルの変種でもあるアレキサンドライトは、2021年63年ぶりに改訂された誕生石のリストに新しく加わった宝石のひとつ。

アレキサンドライトの特徴は何といっても、昼と夜の光源によって石の色が変わることです。昼間の太陽や蛍光灯の下では緑色がかった青から深緑、ロウソクの火や白熱灯に照らされるとすみれ色や深紅、赤紫色、紫色、あるいはオレンジ色へと変化するのです。この効果は、「カラーチェンジ効果」、または「変色効果」などと呼ばれています。

色変化は、クロムが絶妙なバランスで配合されていることにより起こるといわれています。見る角度によって色が変わって見える強い多色性や紫外線で蛍光するという特徴もあり、長い時間じっと眺めていても飽きないほど。

最初に発見されたのは、1830年代ロシアのウラル山脈。極めて上質で鮮やかな色合いと、はっきりとした変色効果が見られるこの石は、当時のロシア皇帝ニコライ1世に献上されました。皇帝の息子の若き皇太子(のちのアレクサンドル2世)に因んで、アレキサンドライトと名付けられたといわれています。ロシア帝国軍の色である赤と緑の色に変化することから、ロシアでは人気となり、「幸運を呼ぶ石」としてもてはやされました。

現在ウラル山脈のアレキサンドライトは枯渇してしまい、市場に出ているのはスリランカ、東アフリカ、ブラジル産のものがほとんど。ただその多くは、ウラル山脈のものに比べると変色性を示すものはなく、色合いも濁っているのだそうです。アレキサンドライトは形が良く透明度が高い、肉眼で確認できる傷がないことに加えて、変色の度合いによって価値が決まります。ウラル産は、特殊な光学的現象を示す宝石の品質基準を満たした高級品として今も世界で認められています。

クリソベリルの1種であるアレキサンドライトは、カボションカットにすることでクリソベリルキャッツアイのように石の中央に一条の縦の線が現れることもあります。これはキャッツアイアレキサンドライトと呼ばれ、さらに希少な宝石として珍重されています。

変色効果を楽しむなら、サファイア、ガーネット、アメシスト、トルマリンなどもチェック

変色効果がある宝石は、ほかにもサファイア、ガーネット、スピネル、フローライト、アメシスト、トルマリンがあります。ダイヤモンドでは、紫外線やX線に当たると神秘的な青い光を放つものは、ストロングブルーと呼ばれています。これは、ダイヤモンドの蛍光性によるもので、アメリカ宝石学会(GIA)の鑑定書では、中程度の蛍光性(Flourescence)がある場合、その蛍光の色が記載されます。美しく輝いているだけでも目を引くのに、様々な色の変化も楽しめる宝石の存在にはびっくり。知れば知るほど、その魅力に深くはまってしまいそうです。


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ロードライトガーネット


可愛い宝石コレクションーーーロードライトガーネット 1.19ct 「バラのような石」という意味を持つロードライトガーネット。ガーネットは鉱物名で、カラーによってさまざまな種類があります。
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