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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

NO.314 7月の誕生石、スフェーン。ダイヤモンドに負けない強い輝きを持つ宝石です。

2021年の誕生石改定により、新たにスフェーンが加わりました。名前を初めて聞いたという人もいるかもしれませんが、ここ数年、ジュエリーファンを中心に徐々に人気が高まっている石です。

チタンを多く含むため、鉱物名はチタナイトです。スフェーンという名前は宝石名で、ギリシャ語でくさびを表す言葉「スフェノス(sphenos)」から来ています。その理由は、スフェーンの結晶が通常くさびの形をしているから。

ファイア、服屈折、多色性

この石の特徴としてまず挙げたいのは、ダイヤモンドに勝るとも劣らない強いファイア(光の分散)。特に太陽光の下では、はっきりとその傾向が見られます。地色以外に、赤や橙、黄、明るいグリーンなど虹色のような輝きは見る者を圧倒します。強いファイアを持つことから、カットはダイヤモンドのようなブリリアントカットが理想ですが、ダイヤモンドの硬度が10であるのに対し、5~5.5と低いため、研磨が難しい宝石です。2方向にはっきりとした劈開があり、特定な方向からの衝撃に弱いという弱点もあります。そのためスフェーンをうまく磨ければ、熟練した宝石職人と認められるといわれています。

他の特徴の一つは複屈折。スフェーンを通して景色を見ると、二重にかすんでいるように見えます。

強い多色性も備えています。ある一方から見ると明るい黄緑色、向きを変えると赤茶系色、もう一方から見ると強く輝く黄系色といった具合に、角度によって色が変わるので、見ていて飽きません。

ベースになる色は、透明感あふれるレモンイエローからライムグリーン。マダガスカル、パキスタン、ロシアのウラル地方などで産出されます。地質の影響を受けやすく含有する成分によって色味が変わるという性質から、産地によって色が異なります。例えばクロムを含むとエメラルドのようなグリーンになります。それは、「クロム・スフェーン」と呼ばれ、メキシコのバハ・カリフォルニア産が有名です。希少性が高く市場ではなかなかお目にかかれません。そのためコレクターの間で人気が高い石です。

バナジウムを含むことで、ゴールドやイエローグリーン、オレンジといった色合いになるものもあり、「バナジウム・スフェーン」と呼ばれています。ミャンマー産にこのタイプが出現します。

5カラット以上は希少

世界中で採れるものの、インクルージョンがあったり、ひび割れ・カケが見られることも多い石です。そのため5カラット以上で高品質のものは高値で取引されます。

爽やかな色合いとダイヤモンドに負けない輝きを持つスフェーン。衝撃に弱いという性質から、リングよりもネックレスやイヤリングがおすすめ。顔回りに華やかな印象をプラスしてくれます。成功や出会いをイメージさせるパワーストーン。7月生まれでなくても、1つは持っていたいですね。

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誕生石表紙


S書籍『誕生石&カラーストーンジュエリー』6000種以上ある鉱物の中で宝石としての価値を持つのは約50種類。さらにその中から世界各国で、好みや伝統などを考慮して、宝石業の団体が誕生石を制定しています。日本では初めて1958年に19石が確定し、2021年、新たに10石が追加されました。誕生石の歴史は古く、旧約聖書に12石の記述が登場し、「守護石」として現代まで語り継がれています。本書では、12カ月の誕生石29石とその石でできたジュエリーを見せながら、石それぞれにまつわるストーリーを紹介しています。
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