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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

NO.315 ゆがんだ真珠、いびつな真珠も、見方を変えればすてきなジュエリーになります。

規格外でも美味しい野菜のように、丸くはないけれど味わいのある真珠。これまで捨てられていたものに目を向けるようになってきました。

真珠は丸いものと思われていますが、実は「真円」と呼ばれる完璧に丸い珠はほとんどなく、たくさん生まれた真珠の中から厳選されたものです。さらに6mm、7mmなどサイズ、白の珠の中でもブルー系、ピンク系など微妙に色があり、それを見分けて加工するため、形、サイズ、色が揃ったパールネックレスが高価になるのもやむを得ません。

特に日本では真円が好まれ、その影響により中国でも真円への憧れが強くなっているため、ますます真円の美しいものは値上がりしています。しかし真円にこだわらなければ、魅力的なものは見つかります。日本では19世紀、10年をかけてミキモトの創業者、御木本幸吉と多数の研究者により、真円真珠の養殖が成功したことにより、丸い珠が常識となりました。一方、ヨーロッパやインド、アラブなどでは、大きなサイズのバロックを好みます。バロックは「歪んだ真珠」を意味し、真珠のゆがんだ曲線をイメージすることから、後世の歴史家が16世紀末から17世紀にかけてイタリアからヨーロッパに広がった華やかで情熱的な芸術様式をバロック美術と命名しました。

21世紀、多様性や個性を一層重視するようになり、画一化したものより唯一無二のものに目を向ける傾向が高まっています。またSDGsの認識が高まるにつれて規格に合わない理由で捨てられていたものを再利用する企画が増えています。

真珠においても、歪んだ真珠を個性と捉え、利用するようになっています。7月11日(真珠記念日)に発売になった『366日金魚真珠』はすべて1点もの。1日1真珠を紹介する「Instagram1年投稿プロジェクト」を実施しています。仕掛けたのは伊勢志摩産あこや真珠ブランド、SEVEN THREE.。『金魚真珠』は、尾びれ付きの真珠を金魚に見立て、ネーミングをつけて商品化したもの。366日の投稿には、個性豊かな金魚真珠の紹介とともに毎日ひとつ、言葉を添えています。

SEVEN THREE.は、ひとつとして同じ形、色、輝きで生まれることのない真珠を「自然の造形美」として慈しみ、肯定し、大切にしています。366日金魚真珠商品を購入すると、1日1メッセージのカードと一緒に届きます。真珠単体¥15,400、ピアスやネックレスなどに加工する場合は別途費用がかかります。¥6,600〜

トップ画像出典:https://seventhree.shop/

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