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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

NO.319 モディ首相のダイヤモンドに見るインドのダイヤモンド産業の行方

世界最古のダイヤモンド産地であったインド。その歴史を生かし、現代では数万人がダイヤモンド業界で働き、世界に流通する9割のダイヤモンドを加工しています。コロナ禍で宝飾品の需要が止まり、失業者が増えましたが、そのマイナスを取り戻すように、政府が支援を開始しています。

世界最多14億あまりの人口を有するインドで、2024年6月の総選挙の結果、3期目の首相となったナレンドラ・モディ氏。7月には旧ツイッター、Xで自身のフォロワーが1億に達したことを発表しました。地元メディアは、モディ首相が現役の首脳の中で世界で最も多いフォロワー数だと伝えています。

今や、インドだけではなく世界でも認知度の高いモディ首相。最近彼の肖像が彫られた8カラットの合成ダイモンドが、インド、グジャラート州スーラトの宝石展示会で展示されました。

モディ首相への賛辞を表明するべく作られたというダイヤモンド。スクエアカットの中に幾重にも施された細かいファセット、その中にモディ首相の肖像が彫られています。大きさや形からいってブローチに仕立てて、モディ首相の左の胸元に着けたら似合いそうです。

このダイヤモンドは、スーラトの宝石業者SKディアム社によって40カラットの原石からカットされたもの。同社によると作業には1か月かかり、20人の職人が携わったということです。

モディ首相は、国内製造業の促進を目的とした「メイク・イン・インディア」キャンペーンの推進の一環としてインドの合成ダイヤモンド産業を支持しています。

2023年6月、ホワイトハウスを訪問した際に、ジル・バイデン米大統領夫人に7.5カラットの合成ダイヤモンドを贈呈したことからも合成ダイヤモンドへの強い期待感が感じられます。その2か月後インドのゴヤル商務大臣は、ラボで生成されたダイヤモンドは「天然ダイヤモンドと同等」であると主張し、合成ダイヤモンドに対する政府の支援を改めて表明しています。

スーラトでのモディ首相のダイヤモンドの展示は、インドのダイヤモンド職人技の優秀さを示すだけでなく、業界の革新と持続可能性へ前向きな取り組みといっていいでしょう。

インドの宝石集積地といえば、インド最大の都市ムンバイとジャイプール。特にムンバイはダイヤモンドの取引の中心地ですが、ダイヤモンドの研磨と加工は、ムンバイから北に240キロほど離れたスーラトで行われています。地球上に流通するダイヤモンドの約90%は、なんとスーラトで加工されているのです。

近年そのスーラトの街の開発が活発になっています。その1つが2023年に完成したスーラト・ダイヤモンド取引所です。現存する世界最大のオフィスビルとしてギネス世界記録に認定された巨大な複合施設で、カット職人、研磨職人、取引業者など6万5千人以上のダイヤモンドのプロフェッショナルが働いていて、「1カ所ですべてがそろう場所」と謳っています。取引のためにムンバイに出向かなければならなかったのが、製造から取引までここで完結するというわけです。

スーラト南部のおよそ700ヘクタールの土地にはスマートシティを建設するという構想もあり、その夢はグジャラート州出身のモディ首相も支持しているのだとか。

まだ世界的には認知度が低いスーラトですが、今後どんな躍進を遂げるのが、そして宝石業界にどんな影響を及ぼしていくのか注目していきたいところです。

トップ画像出典:diamondworld.net

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