NO.321 パリ2024オリンピックの1シーン、パリ国立図書館に展示される古代カメオの傑作「フランスの大カメオ」の話
オリンピックが終わったら、美しい図書館に収められた「フランスの大カメオ」を観に行こう。
2024年7月26日に開幕したパリオリンピック。パリオリンピック開会式のパフォーマンスでジュエリーに関連する気になったシーンが2つありました。今回はその2つ目をご紹介。
それは開会式50分頃の映像で、若い男女3人が「愛」に関する本を読みながらお互いを意識するシーン。場所はフランス国立図書館です。
実はこの図書館は「世界の美しすぎる図書館」の1つと言われ、彼らがいるのはリシュリュー館と呼ばれる建物の「Salle Ovale(楕円形閲覧室)」と呼ばれている部屋。所蔵数は約2,000万点、日本の漫画も揃っています。2階までの吹き抜けとなった伸びやかな空間が魅力です。
映像の中には登場しませんが、実はこのリシュリュー館では世界三大カメオの1つ、「フランスの大カメオ」が展示されています。Salle Ovaleの入室料は無料ですが、このカメオを見るには入場料8~10ユーロが必要です。
図書館なのに、カメオが見られるの?と不思議な感じですが、リシュリュー館はもともと王室文庫で、美術品、地図、地球儀、コイン、メダル、宝飾品、デッサン、版画、衣装、手稿などを所蔵しています。2階のミュゼには常時約1,000点の宝物が展示されていて、同じフロアのギャラリーマザランでフランスの大カメオが鑑賞できます。
カメオは貝や宝石などに浮き彫りという彫刻技術を施したジュエリーのこと。紀元前3世紀、アレキサンダー大王が自身を神格化するために、肖像を彫刻した石を製作するよう依頼したのが始まりといわれています。以来、王族、貴族、歴史的な出来事を表現するカメオは貴重なものとして考えられています。
世界三大カメオは、フランスの大カメオのほかに、タツァ・ファルネーゼ(紀元前175年頃、ナポリ国立考古博物館所蔵)、ゲマ・アウグステア(紀元9-12年頃、ウィーン美術史美術館所蔵)があります。いずれも歴史的価値が高く、その美しさや大きさは比類なき傑作です。
フランスの大カメオは、その名の通り古代カメオの中で一番大きい約27×32cm。5層から成る茶褐色のメノウに彫られ、現存している古代ローマ帝国の宝物の中でも非常に貴重な作品として知られています。彫刻は上中下の3段の構成になっていて、1つのカメオの中に異なった3つの世界が描かれています。
パリオリンピックは、開会式のセーヌ川をはじめ、コンコルド広場やベルサイユ宮殿など歴史的な建物や場所が競技場なので、それを見るのも楽しみ。オリンピックが終わったら、会場になった場所を自分の足でたどってみたいものです。
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トップ画像出典:wikipedia.org
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