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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

NO.346 ブルガリア王室のジュエリー、ジュネーヴのサザビーズオークションに登場

ブルガリア国王の宝石コレクションがオークションに出品されます。その一部はオンラインで入札できます。

バルカン半島東部に位置する東欧の国、ブルガリア。日本人が思い浮かぶのは、ヨーグルト、ローズオイル、そして大相撲の力士といったところでしょうか。北にルーマニア、西にセルビアとマケドニア、南はトルコとギリシャに国境を接し、周辺国の影響を受けながら独自の文化を守ってきました。

2024年11月13日、20世紀初頭ブルガリア国王に在位したフェルディナント1世(1861年-1948年)が所有していた素晴らしい宝石の数々が、サザビーズのロイヤル&ノーブル ジュエルズ オークションに登場します。その数なんと114点。100年近く公の場に姿を現さなかったこれらの品々は、オークションで初公開なのだそう。

フェルディナントは気まぐれなバイセクシュアルとして知られ、彼が王位についたとき周囲の目は冷ややかでした。彼の父がいとこにあたるイギリスのヴィクトリア女王から「気が小さくて、風変わりで、女々しい…すぐに止めるべき」 といわれたという話はよく知られています。

1913年の第2次バルカン戦争、1915年の第一次世界大戦における失策により退位を余儀なくされてしまいますが、平和な時代に国を繁栄に導くことに成功したという良い一面もありました。

派手で豪華なファッションに対する情熱は尋常ではなく、首に銀の鎖で留めた宝石をちりばめた十字架をつけたり、チュニックに多くの宝石をちりばめたピンや貴金属、ブローチを付けた姿は、「ヨーロッパ中で最も多くの宝石を付けた衣装を着た最初の君主」、「まるでクリスマスツリーのように飾りつけされている」と囁かれていました。王のこうした感性は、熱心な宝石収集家であった母親のオルレアン公女クレメンティーヌ(1817-1907)に影響を受けたものといわれています。

オークションの内容は、フェルディナント1世の個人的な宝石、母親から受け継いだ家宝のほか、その子供たちのために作られた品々が含まれ、バプスト、ウジェーヌ・フォントネー、カステラーニといった当時の一流宝石職人の作品がずらりと並びます。中でも注目なのが、フェルディナント1世の「フルール・ド・リス」と呼ばれるユリの紋章のネクタイピン。2.08カラットのペアシェイプのファンシーグレーブルーダイヤモンドをメインにピンク、グリーン、ブラウンのカラーダイヤモンド4個がセットされています。

17~18世紀貴族文化が花開いたフランス王政時代だったら、彼も「女々しい」などと言われなかったかも。生まれる時代や場所を間違えたのかもしれませんね。

画像出典 : nationaljeweler.com


ハートシェイプのパパラチヤサファイアを中心に、両脇にダイヤモンドとピンクサファイアをセットしたフェミニンなデザイン。パパラチヤサファイアは0.4カラットもあり、鮮明なピンク色を楽しめます。
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ヴィクトリアン時代のシルバーブローチとイヤリングセット。水辺に鳥を描いたモチーフは当時流行したジャポニスムの影響が見られます。コンディションは良好ですが、アンティークであることをご理解の上、お買い求めください。
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