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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

NO.347 ドジャースのチャンピオンリング、どんなデザインになる?

2024年10月31日、大谷翔平選手の所属する野球チーム、ロサンゼルス・ドジャーズがワールドシリーズ(WS)を制覇。大谷選手の夢がまた1つ実現しました。数あるご褒美の中に、宝石やラインストーンをちりばめたチャンピオンリングがあります。

北米には、MLB(メジャーリーグベースボール)、NFL(ナショナルアメリカンフットボールリーグ)、NBL(ナショナルバスケットボールリーグ)、NHL(ナショナルアイスホッケーリーグ)の北米4大スポーツがあり、毎年チャンピオンリングが製作されます。そして、優勝チームが製作する慣わしです。

MLBの場合、チャンピオンリングは選手だけでなく、ロースター登録の選手(実際プレーをしなくても公式戦に出場できる資格をもつ選手)、シーズン中にトレードされた選手、監督、コーチ、チームスタッフ、そしてフロントスタッフにも贈られるというから、その太っ腹ぶりにびっくり。

その1つ1つは、ハンドメイド。現在の大量生産のロストワックス製法ではなく、古典的な製法で作られます。リング側面には、選手の名・背番号・シーズン中やプレーオフでの記録などを個人別に刻み込むというまさにパーソナルリングです。

一方、チームスタッフやオーナー、スポンサーは、選手とは別のデザインとなっています。指のサイズも一人ずつ測って作るため、渡されるのは優勝した翌シーズンの開幕戦の前に行われる「チャンピオンリング贈呈式」の時になります。

メタルはK14ゴールドで、キラキラ光る宝石はダイヤモンドやカラーストーンを使用しています。ファン向けには同じようなデザインのレプリカが製作され、ダイヤモンドではなくキュービックジルコニアが使われ、1個のリングに50-100個近い小粒のラインストーンが付いています。

歴史は1950年代に始まった

記録に残っているチャンピオンリングの一番古いものは、ニューヨーク・ヤンキースの1953年製。ゴールド枠の大ぶりのリングの中央に大粒ダイヤモンドが1石セッティングされ、その周りにNEW YORK YANKEES WORLD CHANPIONSという文字が彫られています。

チャンピオンリングの原型はカレッジリングで、初期のチャンピオンリングはその形状やデザインを踏襲した割とシンプルなものでした。その後チームカラーをエナメルや七宝焼きで表現したり、ファインジュエリーの石留の技法を取り入れるなど、独自の進化を遂げていきます。パヴェセッティング、ミステリーセッティング、ホワイトゴールドとイエローゴールドのコンビネーションメタルなど、そのゴージャスな作りはまさにハイブランドジュエリーのランク。

個性が出ていてどのチームのものも興味深いのですが、特に目を引いたのは2013年のボストン・レッドソックス。レッドソックス(赤い靴下)のBはルビー、背景にはブルーサファイアが使われ、両方ともバケットカットやテーパーカットの石をデザインに合わせてリカットし、留め爪が見えないようにミステリーセッティングで留めてあります。ソックスのデザインも動きがあってかわいらしいです。

歴史の長いアメリカのチャンピオンリングは、年代別に見ているだけでもなんだか楽しくなってきます。来年、ドジャースのチャンピオンリングはどんなものが出来上がってくるのか興味津々。最近は日本でもプロ野球、プロバスケットボール、アメリカンフットボールなどで製作されているとか。優勝チームだけではなく、チームの選手やスタッフなどへのリスペクトを表現するこうしたジュエリーが日本でももっとメジャーになるといいと思います。

画像出典 : ebay.com/


ハートシェイプのパパラチヤサファイアを中心に、両脇にダイヤモンドとピンクサファイアをセットしたフェミニンなデザイン。パパラチヤサファイアは0.4カラットもあり、鮮明なピンク色を楽しめます。
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ピンクダイヤモンドが中心に輝くリング。スクロールデザインのホワイトゴールドはダイヤモンドがところどころにセットされています。
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