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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

NO.349 ジュエリーの仕事を目指す人、必読。ジュエリーのリフォームをテーマにした小説『雫』

注目の作家、寺地はるなさん作『雫』はジュエリーに関わる人に薦めたい1冊。

いつまでも暑い日が続き、なかなか実感がわかなくなってきた秋。でも高くなった空や百舌の鳴く声に、やはり秋が感じられます。秋といえば、食欲、スポーツ、ファッション、そして読書。今回は、寺地はるなさんの『雫』という小説を取り上げたいと思います。

寺地はるなさんは、『川のほとりに立つ者は』で2023年本屋大賞の9位にランクインした今注目の作家。『雫』は、2024年8月30日にNetGalleyに作品を登録したところ、8月掲載作品ランキング(集計期間:2024/7/1~2024/8/31)でリクエストランキング1位を獲得。2024年11月6日満を持して発刊となりました。

物語は、中学時代からの友人4人が織りなす30年間の青春物語。主人公の永瀬珠はジュエリーデザイナーとして、高峰能見の経営するリフォームジュエリー会社「ジュエリータカミネ」で働いています。同じビルには地金加工の「コマ工房」で職人をしている木下しずく、「かに印刷」で働く森侑がいて、4人は中学の同級生でした。2025年4月ビルの取り壊しに伴い「ジュエリータカミネ」が廃業することになり、4人は別々の道を歩むことになります。

物語は2025年4月から始まり、中学時代の過去へと徐々にさかのぼっていくという展開。なによりジュエリーがテーマになっているから、どんな話なのかとても興味が沸きました。原作者の寺地さんは、「時間をさかのぼれるなら、誰かからもらった大切なものを次の世代へ渡す」という視点から、主人公の職場としてリフォームジュエリー会社を選んだそうです。

物語の中で、永瀬珠がリフォームの依頼を受けたジュエリーデザインを起こし、それを木下しずくが形にするのですが、ジュエリー製作の現場やジュエリーの技法が素人にもわかりやすく説明されています。リフォームを依頼しに来る人たちのエピソードも織り交ぜられ、依頼者のそこに至るまでの葛藤なども丁寧に掘り下げられ、じんと来るものがありました。

登場人物が筆者の身近にいたり、過去にいたような人たちなので、読んでいて親近感が沸いてきました。特に工房で働く木下しずくという女性は、まさに昔ながらの工房の職人さんという感じ。多様性のある展開も、自然にすとんと入ってきました。

『雫』というタイトルは、木下しずく、雨のしずく、ジュエリーのティアドロップ、そして登場人物4人が中学の卒業制作のレリーフに選んだモチーフが「永遠」を意味しているのだとか。もともとしずく型(ティアドロップ)ってロマンチックなイメージがありますが、そんな意味があったなんて。ティアドロップのジュエリーが、欲しくなりました。


ハートシェイプのパパラチヤサファイアを中心に、両脇にダイヤモンドとピンクサファイアをセットしたフェミニンなデザイン。パパラチヤサファイアは0.4カラットもあり、鮮明なピンク色を楽しめます。
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バロックパールが蜂が止まっている様子を描いた大人可愛いネックレス。上品だけどポップな雰囲気もあるデザイン。蜂は幸運をもたらし、強運になる、災害を防ぐなど意味し、日本でも海外でも人気のモチーフです。スペイン製
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