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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

NO.368 グッチとコラボ。先住民族の伝統工芸クイルワークを使ったドレスとジュエリー

ヤマアラシの針を染色した素材を使って作り上げるクイルワーク。アカデミー賞をきっかけに注目されています。

多様性の時代といわれる中、ジュエリーもその影響を大きく受けています。アメリカでは先住民の伝統織物装飾の一つ、クイルワークが施されたドレスとジュエリーが注目されています。

その発端となったのは、レオナルド・ディカプリオ主演の映画「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」。1920年代のアメリカ・オクラホマ州で実際に起きた石油の利権をめぐってアメリカ先住民をねらった連続殺人事件を描いたもので、ディカプリオの妻役を演じたネイティブアメリカンの女優、リリー・グラッドストーンは、2024年のアカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。残念ながら最優秀賞は逃しましたが、レッドカーペットに登場した彼女が着用していたのが、繊細なクイルワークが施されたミッドナイトブルーのベルベットドレスでした。

そのドレスはクイルワークのデザイナー、ジョー・ビッグ・マウンテンとファッションブランド、グッチのコラボによるもので、胸元の飾りの部分、そして背中の長いケープの部分に、ビーズと一緒にクイルワークが施された216枚の花びらがちりばめられています。

この衣装は、リリー・グラッドストーンが雑誌『ヴァニティ・フェア』のオスカーパーティで着用したもう1着のドレスとともに、スミソニアン博物館の国立アメリカン・インディアン博物館で一般公開されています。これらは「Making a Statement」と呼ばれる特別インスタレーションで紹介され、2026年3月まで展示されます。

スミソニアンも注目するクイルワークとは?

スミソニアンも注目するクイルワークとは、いったいどんなものなのでしょうか。クイルワークは、北アメリカ西部のロッキー山脈から中部のミシシッピ川にかけての大平原で生活していた平原インディアンと呼ばれる北アメリカ先住民の伝統織物装飾の一種で、その地域一体に生息しているヤマアラシの針が使われているのが特徴です。

アメリカンインディアンの工芸品は、動物の皮に小粒のビーズやトンボ玉を素材としたものというイメージが強いのですが、クイルワークはガラスビーズが導入される前から行われていたもの。その歴史は古く、カナダ・アルバータ州では6世紀頃に使われていたクイルワークの道具が発見されています。

ヤマアラシの針で編まれた彩り豊かな織物は、コートやモカシンなどの衣類、バッグやベルトなどのアクセサリー、ゆりかごカバーなどの家具の付属品や装飾などで、ネイティブアメリカンの日常生活の中に息づいています。

ヤマアラシの針は先端は黒みがかっていますが、軸の方は淡黄色から白色。先端をカットして染色してから使います。以前は植物から抽出された染料で染めていましたが、今では化学染料で簡単に染められるようになりました。

その伝統装飾を現代のジュエリーによみがえらせたのが、先住民族の出身であるジョー・ビッグ・マウンテンです。

彼が手がけるクイルワークジュエリーのブランド、Ironhorse Quillwork(アイアンホース・クイルワーク)では、大胆な色使いとヤマアラシの針でびっしりと緻密に織られた大ぶりのイヤリングが目を引きます。

ヤマアラシは危険を察知すると、全身の針が本能的に立ち上がります。この自然の力を借りると、人間も身を守ることができるとネイティブインディアンには信じられています。

画像出典:https://nationaljeweler.com/articles/13691-piece-of-the-week-ironhorse-quillwork-earrings


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