男性が主流のダイヤモンド業界で、大胆な投資、刷新。そして戦略的リーダーシップを通して、業界に変革をもたらそうと奮闘している女性たちがいます。

2025年3月21日、IOC（国際オリンピック委員会）の第10代会長に、アフリカのジンバブエの女性カースティ・コベントリー氏が選ばれたというニュースが世界を駆け巡りました。今までのIOCの会長は欧米の男性ばかりだったことから、この結果はIOCにもグローバル化、多様性、そして女性の時代がやってきたことを実感させられます。女性の視点から今までとはちょっと違う新しい風がオリンピックにもたらされるのではないか、ちょっと期待してしまうのは私だけでしょうか。

男性が主流のダイヤモンド業界においても、大胆な投資、刷新、そして戦略的リーダーシップを通して、ダイヤモンド業界に変革をもたらそうと奮闘している女性たちがいます。

インドのジュエリーサイト、Diamond World Netから、その一部を抜粋して紹介していきましょう。

1. サビーナ・ベッリ:ポメラートCEO（2015年～）

イタリアの伝統を守りながら、同ブランドを現代高級ジュエリーの世界的リーダーへと導いた立役者。2013年世界的な高級品コングロマリット、ケリング グループ内の中でも絶対的な存在感を放つことになったのも彼女の功績と言えます。

女性の社会的地位向上の推進にも力を入れていて、男女平等を訴え、世界中の女性の声を広めるプラットフォーム「ポメラート・フォー・ウーマン」を立ち上げています。

ベッリ氏のリーダーシップの下、ポメラートは持続可能性も重視。たとえば100%責任ある方法で調達された金を使用、Responsible Gold やフェアマインド・プログラム、アマゾンの森林再生プロジェクトといったSDGsに関する団体にも参加しています。

2.プージャ・シェス・マドハヴァン：「LIMELIGHT・ダイヤモンド」の創設者兼 CEO（2019年～）

LIMELIGHTは、日本ではまだ知られていないインドの合成ダイヤモンドのブランドですが、インド国内においては最大の持続可能な高級ジュエリーブランドとして、現在成長著しい企業です。マドハヴァン氏は、合成ダイヤモンドを代替品から人気の高級品へと引き上げ、世界の宝飾品市場における合成ダイヤモンドの認識を一気に高めました。現在ムンバイのデリー、ジャイプール、バラナシ、ハイデラバードなどインド国内25以上の都市に10を超える旗艦店と40の小売店を展開しています。

最近ブランドの存在感をより高めるべく、新たに100万ドルの投資を行いました。この投資により、ライムライトはラボで製造される高級品のリーダーとしての地位をさらに確実にし、新店舗の開設や宝石市場における知名度も上がっていくことが期待されています。

インドの最大手のジュエリーメーカー1社との事業提携も締結し、より広い世界へとはばたこうとしている今インドで最も元気な女性の一人です。

3.ティギ・カマラ:ティギ・マイニング・グループ CEO（2012年～）

ギニア出身のティギ・カマラ氏は、アフリカで最年少の女性鉱山経営者の一人であり、数少ない女性鉱山所有者の1人。ダイヤモンド採掘における透明性や労働者（特に女性）に対する劣悪な環境、低賃金または未払いに対する是正など、業界の悪しき慣習を打ち破るための活動も行っています。鉱業業界の女性のための世界的な支援団体である「国際鉱業女性協会」の積極的なメンバーで、2013年には鉱業業界の女性を支援し力づけるためにギニア鉱業女性協会を設立しました。また、アフリカ鉱業サミットやニューヨーク市アフリカフォーラムなどの世界的なプラットフォームで専門知識を共有してきました。

鉱業以外にも持続可能な開発に尽力しており、地域社会の向上につながる住宅や農業プロジェクトにも投資しています。

社会に大きな影響力を持つカマラ氏は、アフリカ系のフランス語ニュース雑誌『Jeune Afrique』で、2017年アフリカで最も影響力のあるビジネスウーマン50人の一人に選ばれました。さらに2021年には、アフリカを代表する評価、メディア、広報会社である Avance Mediaにおいて、「アフリカで最も影響力のある女性トップ100」に選出されています。

男女平等、持続可能などを意識しながら、ダイヤモンド業界の未来を作り上げていこうと切磋琢磨している女性たち。多くの困難を克服し革新的なアイデアを取り入れることにより、伝統的に男性が支配する業界が少しずついい方向に変わっていくといいですね。

画像出典：https://www.diamondworld.net/

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