
NO.375 ロマノフ王朝時代の貴族趣味がよみがえる、現代ファベルジェの仕事
キリスト教のお祭り、イースター。今年は4月20日です。イースターを代表するイースターエッグで有名なファベルジェはロシア革命によって閉店しましたが、現在はイギリスの会社が引き継ぎ、現代の富裕層を魅了する作品を手がけています。
1842年にサンクトペテルブルクでロシアの宝飾職人として創業。2代目のピーター・カール・ファベルジェは帝政ロシア皇帝から宮廷の公認金細工職人に任命され、アレクサンドル3世やニコライ2世、その家族の手厚い庇護の下、さまざまなジュエリーを製作し献上していました。
1917年のロシア革命により工房は閉鎖。ピーター・カール・ファベルジェは失意のまま1920年亡命先のスイスで亡くなります。
ファベルジェは、その後紆余曲折を経て2007年からイギリスのジェムフィールズ社の一部門となりました。2009年にパリでファーストコレクションを発表。以来ジュネーヴやドバイに路面店を構える高級宝飾店として見事に復活を果たしています。
ブランドの多くは、新しいコレクションをファッションシーズンや業界のトレードショーなどの綿密に計画されたスケジュールに従って発売します。一方、ファベルジェはコレクションの発売に対して、より流動的で直感的なアプローチで作品を発表しています。
製作点数は少量に限定。限定版はさらに点数を絞り、時には特定の時期に世界中でわずか10点程度のみを販売します。
ファベルジェといえ、イースターエッグ。新生ファベルジェが発表した「ファベルジェ イン ブルーム」コレクションは、卵の中を開けると中から花が飛び足してくる仕掛けになっています。それも卵の色によって花の種類も違うので、どんな花が入っているのかは開けてからのお楽しみ。
これは、かつてロシア皇后のためにファベルジェが製作した「ファベルジェ フラワー スタディ」と呼ばれるロック クリスタルの花瓶に花を描いた小さくて繊細なジュエリーからインスパイアされたものです。
異業種や映画、芸能人とのパートナーシップから生まれた作品もあります。たとえば、当ブログNo.333でも取り上げましたが、ティム・バートンの世界の創造にファベルジェが協力しました。
他にも、2024年に発表した「映画007」をイメージしたイースターエッグ。
鮮やかなグリーンにぼんやりとタコの足が描かれた卵の中を開けると、ホワイトダイヤモンドの吸盤とブラックダイヤモンドの目をもつタコが現れます。これは1983年公開の『007』シリーズ第13作目の『オクトパシー』をイメージしたもので、日本でも紹介されています。
1964年公開され今もなお最高傑作の呼び声が高い『ゴールドフィンガー』が公開されて60周年を記念して作られた「ゴールドフィンガー カプセルコレクション」。K18イエローゴールドのカプセルの中に、ハート型のルビーをセッティングしたもので、映画のストーリーの中心となるフォートノックスの金庫にインスピレーションを得ています。
ロマノフ王朝時代の貴重なアーカイブスから現代によみがえったファベルジェの作品は、優雅な中にも遊び心があふれています。
画像出展 : faberge.com

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