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NO.381 ダイヤモンド生産国は大打撃!ダイヤモンド業界を揺るがすトランプ関税

ラボグロウンダイヤモンドに軍配が上がる、トランプ関税の計画。

2025年4月2日に発表され、世界経済を揺るがしているトランプ大統領発表による相互関税。2025年4月10日、個別関税の適用を90日間一時停止することが決定され、交渉が始まっています。

日本には24%の関税が課せられ、2025年5月1日、日米の閣僚による2回目の関税協議が行われました。主力産業である自動車や鉄鋼・アルミニウム製品など、日本に対するすべての追加関税の見直しを求めました。

アメリカ側は相互関税の上乗せ分(日本は14%)だけを協議の対象とし、自動車などの関税撤廃には難色を示したそう。まさに青色吐息の交渉となっていますが、ダイヤモンドを主な取引としている国々もまた、トランプ関税を危機感を持って受け止めています。

2025年4月2日現在、年間生産量が100万カラットを超える主要ダイヤモンド生産国の場合、
「アメリカに輸入されるダイヤモンド原石」に対して、ボツワナ:37%、アンゴラ:32% 、南アフリカ:30%、カナダ:25% コンゴ、ナミビア: 21% 、ジンバブエ:18%
「アメリカに輸入される研磨された天然ダイヤモンド」に対して、中国:104%  インド:26%、 EU:20% 、イスラエル:17%
の税率が発表されています。

アメリカは世界最大のダイヤモンド消費国ですが、国内にダイヤモンド鉱山がないため、すべてを輸入に頼っています。

ホワイトハウスは報復関税を90日間、一時停止したものの、10%の基本関税は既に発効しており、引き続き適用されています。不透明な見通しに、世界中の宝石取引業者から不安の声が上がっています。

ベルギーのアントワープ・ダイヤモンド・センターの最高経営責任者カレン・レントミースターズ氏によると、ドバイと並んで世界有数のダイヤモンド取引量を誇るアントワープからのダイヤモンド輸出は、トランプ大統領が今月、新たな世界的な関税を発表して以来停止状態にあり、1日の出荷量は平常の7分の1に落ち込んでいます。

インドは、世界のダイヤモンドの90%以上を加工する大規模な研磨産業を持つ国として知られています。完成したダイヤモンドは研磨された国が原産地と見なされるため、関税を回避する合意に達しない限り、インドのダイヤモンド輸出産業は26%の関税によって打撃を受けることになります。

さらにこの関税は、アメリカ国内のダイヤモンド業界にも影響が及ぶことが懸念されています。アメリカを拠点とする天然ダイヤモンドの問題解決のために2000年に設立された国際評議会、ワールド・ダイヤモンド・カウンシル (WDC) は、アメリカ政府に対し、提案されている関税から天然ダイヤモンドを対象に除外することを検討するよう強く求めています。

WDCによると、
・アメリカの宝飾品産業は国内で年間 1,170 億ドル以上の経済活動を生み出している。
・国内で20万人以上の雇用を支えている。
・アメリカの宝飾品の年間売上高は合計915億ドル。
・国内の宝飾品製造は毎年150億ドル、輸出は105億ドルを占めている。
・19万3,000人のアメリカ人が全国各地の宝石店で働いている。
天然ダイヤモンドに関税が課されれば、これらすべてが危険にさらされることになるということです。

一方、最近需要が伸びているラボグロウンダイヤモンドももちろん今回の関税の対象となりますが、価格が天然ダイヤモンドよりも半額以下のため、最終価格に関税が含まれても購入者の負担感は天然ダイヤモンドに比べると少ないといえます。

現在ラボダイヤは、アメリカの売上高の4分の1から半分を占め、2024年の米国人の婚約指輪のセンターストーンの52%がラボグダイヤといわれます(2019年は12%)。またラボグダイヤはアメリカでも生産されているため、ラボダイヤの需要がさらに伸びていけば、生産や研磨のコストが抑えられ、加工代が安くなるのも必至。なにしろアメリカ国内で生産されるラボダイヤには関税がかからないのですから。トランプ関税はアメリカ国内のラボダイヤ生産者の競争力を高め、国内生産ダイヤモンド市場の門戸を広く開くかも知れません。

日本は輸入を禁止している問題のロシア産ダイヤモンドは、アメリカではロシアから輸入しており、2025年4月2日現在、関税はゼロパーセント。その理由は2024年3月1日(1.0カラット以上のダイヤモンドの場合)、または2024年9月1日(0.5カラット以上のダイヤモンドの場合)からロシア連邦外にあった場合に限り、OFACの一般許可に基づいて2025年9月1日までアメリカへの輸入が許可されているためです。ロシア原産のダイヤモンドジュエリーのアメリカへの輸入は、ジュエリーがロシア連邦外にあった場合は2024年3月1日から許可されています。今後OFACのライセンスが更新されるかどうかは、現時点では不透明です。

※OFAC:米国財務省の外国資産管理室(Office of Foreign Assets Control)の略で、外交政策や国家安全保障上の目的から、米国政府が指定した国・地域や特定の個人・団体に対して、取引禁止や資産凍結などの措置を講じている機関。

当記事は、https://www.rough-polished.comの抄訳です


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