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ジュエリーと、ジュエリーにまつわるさまざまなエピソード

NO.393 13世紀頃、スリランカからスロバキアへ旅したパープルサファイアの話

古い金枠の指輪に据えられた珍しいパープルサファイア。調査の結果、700年前にスリランカからスロバキアに渡ったものであることが判明しました。

指輪が発見されたのは、スロバキア中央部ズヴォレン郡にあるプスティ城(スロバキア語で「荒れ果てた城」の意)。12世紀に建造されたスロバキアで最も古い中世の城の1つで、何世紀にもわたりズヴォレン郡の行政の中心地として機能していました。しかし1452年の豪族間の戦いで大部分が焼失してしまいました。現在は廃墟となっていますが、記念碑的な通路門の塔が建てられ、その遺構は城全体のシンボルとなっています。

スロバキアの城は、宮崎駿監督の『天空の城ラピュタ』のモデルの1つとなったといわれるスピシュ城が有名ですが、プスティ城もそれに近い広さを誇り、ヨーロッパでも最大級の城跡として知られています。1922年以降、大規模な考古学調査が行われ、大きな成果を上げています。現在一般公開されており、プスティ城の案内路を散策することが可能。中世の歴史に思いを馳せることができます。

2001年、1人のトレジャーハンターによって城の居間の中庭で偶然、指輪が発見され、2023年に考古学者による調査が始まりました。その結果、指輪の金枠はイエローゴールド、4つの爪で固定された赤紫色の石はサファイアであることが判明しました。そして、そのサファイアは、スリランカからスロバキアまで約7,400キロもの距離を移動してきたのだということもわかってきました。スリランカは特産である貴重なサファイアを、ローマ時代からヨーロッパに提供していました。現在でもサファイアはスリランカの大きな輸出品目です。

指輪は中世ヨーロッパでは、男女とも一般的に着用されていたアイテムです。とはいえ、宝石が付いた金の指輪が発見されるのは極めて異例だということです。指輪の左右の腕の部分にはたてがみのような毛皮を持つライオンを描いたと思われる図柄が刻まれています。こうした動物モチーフが施されているのも中世の指輪としては珍しいといわれます。

研究者によると、この指輪は13世紀後半か14世紀初頭のものと考えられ、位の高い聖職者が所有していたのではないかと推測されています。同様の指輪が司教の埋葬地からも発見されています。指輪に描かれたライオンのモチーフは、強さ、勇気、王族、復活、悪に対する勝利を意味しているということです。指輪がいつ失われたのか、誰が最初に身につけていたのかは依然として謎に包まれています。

画像出典:allthatsinteresting.com


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