No.50 アコヤ真珠を使った、サステナブルな動き
BJI ブログ No.50
真珠というと、白く上品なつやのある真円をイメージする方が多いことでしょう。天然真珠はなかなか入手できないため、そのほとんどは養殖真珠であることはご存知の通り。しかも養殖でも、真円の形で取り出せるものは2割ほどで、その残り8割はいびつな形や表面にエクボと呼ばれる突起やくぼみのあるものです。
南洋真珠や淡水真珠などはキズがあったり、多少形が悪くても、あまり気にせず身に着けることが多いのですが、日本人は「アコヤ真珠」と名がつくと、真円にこだわる傾向にあるのでは?思うのは私だけでしょうか。
ジュエリーにおいてもサステナブルの声が高まる昨今、従来は流通に乗ることがなかったいびつな形のアコヤ真珠を商品化し積極的に市場に展開していこうという企業が登場、最近話題となっている2社をご紹介します。
ひとつは、伊勢志摩にある株式会社サンブンノナナ。同社のブランド「SEVEN THREE.(セブンスリー)」では、様々な形や色の真珠を使った「百花(ひゃっか」というコレクションの中で、丸い形に「しっぽ」のような突起がついてしまったものを「金魚真珠」と命名。なるほど、ネックレスやピアスに仕立ててみると、まるで金魚がすいすい泳いでいるみたいな「遊び心」を感じさせます。これからの季節にもぴったりのアイテムですね。
もうひとつは、「社会問題を解決する」をコンセプトとし、工場に眠っているサンプル生地や、染めむらなどがある「B反」を活用した服作りを進めているファッションブランドの「ココ(COXCO)」。
生産量日本一である愛媛県にある宇和海のアコヤ真珠からはじかれてしまった規格外の真珠を使ったリングとピアスを企画、ジュエリーの産地山梨県で製作、自社サイトで販売をスタートしました。すでにリングは完売してしまいましたが、ピアスは、販売中(7月11日現在)。約9mmの大粒な真珠をセッティングしたシンプルなデザインは、シックな大人の装いにぴったり。男性が身に着けても素敵です。
「消費者の方々に年々減少傾向にある真珠養殖の現状と共に、『規格に沿った真円だけが美しいわけではない』という価値観を伝え、ファッションを通して世の中に多様性を広げていきたい」と同社社長の西側氏。ファッションとジュエリーの融合は、今後さらに進んでいくようですね。
アコヤ真珠におけるサステナブルの動きが、日本の他のジュエリーにどう影響していくのか目が離せません。( C )
淡水バロックパールと、リサイクルゴールドプレートのネックレス。ポルトガル生まれのジュエリー。ポルトガルは15〜17世紀、海運国として発展し、ヨーロッパ大陸にパールをもたらしたという歴史があります。¥7,150
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イタリアの淡水バロックパールのイヤリング。ブラックの留め金部分はシルバーにブラックロジウム加工。ジュエリーと同じ作りのハイエンドなアクセサリー。¥22,000
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