8月の誕生石、ペリドット。透明度の高い最高品質はミャンマー産、爽やかなライムグリーンはノルウェー産
Written by MACHIDA Akemi
濃いグリーン、黄色みやブラウンみを帯びたグリーンなど、少しずつ色が違うペリドット。世界各地で産出されるが、市場にあまり出回っていないノルウェー産は、今後希少価値が高まる予感。
木漏れ日を浴びて輝く竹林のような、鮮やかな黄緑色の宝石と言えば、ペリドットです。タンザナイトやパパラチアサファイアなど、世界で1、2ヶ所でしか採れないという宝石もあるなか、8月の誕生石のペリドットはある程度広い地域で採れるため、手に入りやすいという印象があります。
ペリドットの主な産出国は、ミャンマー、アメリカ、パキスタン、スリランカ、ノルウェー、中国、オーストラリア、ケニアなどがあり、確かに世界各地で採れていますが、産出量はあまり多くないようです。宝石は限りある資源なので、ペリドットが今後採り尽くされて、いつか枯渇する日がくるかもしれません。
緑色が濃いもの、淡い色、茶色がかったものなどさまざまな色味がありますが、ペリドットの中でも最高品質と言われているのが、ミャンマー産です。良質のルビーが採れるところとしても有名なミャンマーのモゴック地帯ですが、ペリドットも透明度の高く輝きの強い濃いグリーンのものが産出され、中には10カラットを超えるものもあるようです。
パキスタンでは、ミャンマー産に引けを取らない美しいペリドットが産出されていますが、量は多くありません。パキスタン北部の標高約4500メートルの山の中で採掘が行われていますが、積雪の多い地域のため採掘期間が5月から10月と短い上、パキスタンは治安情勢が不安定なため採掘量が限られています。
最も多く産出される場所は、グランドキャニオンがあるアメリカのアリゾナ州です。ペリドット・メサと呼ばれる丘陵地で、小粒の結晶がびっしり集まった状態で見つかります。色はブラウンみを帯びたものや、黒っぽいものがほとんどですが、中には黄緑色の美しいものも見つかるので、一概に低品質なものばかりとは言えないようです。
ノルウェー産は、他の国とは違った特徴があります。フィヨルドやオーロラなどが有名で、国土の大部分が山や森林というノルウェー。そんな雄大な自然から生まれるペリドットは、黄色みが少なくライムのようなグリーン色をしています。しかし現在の採掘量は少なく、採れたとしても宝石レベルの良質なものはごくわずかだそうです。ノルウェー産は最近市場にあまり出回っていないので、今後ますます希少価値が高まりそうです。
ペリドットは溶岩に流され地表に出る際、急激に冷やされることで小さく砕けてしまうので、大粒のものが少ないとされていますが、中には大粒のものが採れることもあります。
ブルーのホープダイヤモンドなどが所蔵されているアメリカのスミソニアン博物館には、巨大なペリドットがコレクションされています。世界最大の大きさの約310カラットのエジプト産や、アメリカ・アリゾナ州では最大とされる約35カラットのペリドットなど、きれいにファセットカットが施され保管されています。
まだまだマスク生活が続きそうですが、好きなジュエリーをつけてモチベーションを上げていきましょう。ペリドットはどんな洋服にも合わせやすく、他の宝石との重ねづけもしやすい宝石です。夏の白のトップスに合わせればさらに爽やかさがぐっと増すでしょう。ネイビーの洋服と合わせるとペリドットの華やかさが際立ち、より上品な装いになるのでおすすめです。
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