No.107 ウクライナに向けた支援の輪。欧米のファッション、ジュエリー業界に広がる
BJI ブログ No.107
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まり早10日。世界各地でウクライナへの支援の輪が広がっていて、その波は欧米のファッション、ジュエリー界にも起こっています。
たとえば、デンマークのジュエリー会社パンドラは、ロシアとウクライナでの営業を中止したほか、ウクライナへの人道支援としてユニセフに100万ドル(約1億1500万円)を寄付しています。
同社のCEOであるAlexander Lacik(アレクサンダー・ラシック)氏は、旧チェコスロバキアの出身。彼が子どもだった1968年、国内で民主化運動「プラハの春」が起き、その弾圧にソ連を主体としたブルガリアやハンガリーなどの5カ国軍がチェコスロバキアに侵攻し、彼自身が避難した経験を持っていることからも今回のことは決して「他人事とは思えない」と発言しています。「私たちは、ウクライナの子供たちとその家族を助けたいと切に思っています。彼らはこの危機を乗り切るための避難所、水、食糧、薬、安全地帯、およびその他の支援を必要としています。ユニセフの活動は非常に重要です」。
パリを本拠地とし、グッチやブシュロンといったハイブランドを保有するコングロマリット、ケリングもまた同社のインスタグラムにウクライナの国旗の色である青と黄色の文字で「PEACE」と投稿、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)に多額の寄付を申し出ています。
ルイ・ヴィトン、ロエベ、セリーヌなどを擁するLVMHグループにおいてもICRC(赤十字国際委員会)に500万ユーロの最初の緊急寄付を行うことを決定。「ウクライナにいる150人の従業員の安全を第一に考え、必要な資金および業務支援を提供しています」とコメントしています。
ジュエリーデザイナーでは、当ブログNo.106「ジュエリーガチャ」で取り上げたマーラ・アーロンが、彼女のシルバーチェアチャームからの収益の100%をウクライナでの「World Central Kitchen(WCK)/ワールドセントラルキッチン」の取り組みを支援するために寄付しています。WCKとは、2010年のハイチ大地震時の食事提供をきっかけに、被災地や戦禍の人々に温かい食事を提供することを目的とした非営利組織。本拠地はアメリカ、創設者はスペイン出身のホセ・アンドレス、2018年の米『TIME』誌に「最も影響力のある100人」にも選ばれたシェフです。2020年、新型コロナウイルスの感染症により横浜港に停泊を余儀なくされたダイヤモンドプリンセス号での食事提供も、この団体の支援によるものです。
同団体への寄付は、サンフランシスコ出身のジュエリーデザイナーHarwell Godfrey(ハーウェル・ゴッドフリー)も賛同。すでに23,338USドルをWCKに寄付しています。さらにマラカイトのハート型ペンダントトップを企画、その収益が同団体を通じてウクライナ支援へ使われることになっています。
彼女がマラカイトを選択したのはそれが守護石であり、緑色は東洋医学の第4のチャクラ(ハートチャクラ=愛情)を意味することからだそう。ペンダントの小売価格は2,500USドルで、 Harwell Godfreyのウェブサイトで入手できます。
他にもKendra Scott(ケンドラ・スコット)、K KANE(ケイ・ケーン)といったアメリカのデザイナーたちも、ウクライナへの寄付を行っています。日本でもウクライナに向けての支援の動きが活発化してきています。現地に一刻も早く平和的解決がもたらされ、ウクライナ市民の尊い命が守られるよう願ってやみません。
Top画像:kendrascott.com
センターにハート型パパラチアサファイアを配したリング。指のサイズに合わせて製作します。眺めているだけで心温まるデザインです。¥123,750
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