SDGs

イギリスのフェアトレード・ゴールドジュエリー、シャクティ・エレンウッド

Written by Brand Jewelry

鉱山労働者の働く環境を改善したい、そんな思いにかられて。

SDGsの運動が高まる昨今、今回ご紹介するのはフェアトレード・ゴールドを使ったエシカルなジュエリーブランド、シャクティ・エレンウッド(Shakti Ellenwood)。貴金属はK18ゴールドを主体とし、石の形に合わせてセッティングした個性的な指輪や、ハンマー仕上げが美しい男性用の結婚指輪など秀逸な職人技が光ります。また動物をモチーフにしたペンダントトップにも注目。プリミティブな雰囲気を醸し出しながらネコやライオンのお茶目な表情に思わず笑みがこぼれます。

こうしたデザインは民間伝承、古代文明や、シャクティ自身が旅で訪れた国々で体験したことを取り入れたもの。特に彼女の思い入れの強さが伝わるのは古代エジプト文明からインスパイアされたもの。古代のローマ時代とギリシャ時代のジュエリーにも傾倒しています。ダイヤモンドはローズカットを使ったものが多いのが特徴で、ヴィクトリア王朝時代のジュエリーにも大きな影響を受けているようです。

「1990年代前半アジアを旅行していた頃、インドを訪れた時に知り合ったイスラエル出身の金細工職人が小さなベンチに座りジュエリーを作っていました。繊細で複雑なジュエリーの世界を見ていて”私が人生で情熱を傾けるとしたらこれだ!と感じた”」とシャクティはいいます。その後、男友達の1人と共にサンフランシスコに渡り、ジュエリーメイキングの学校に通い始めます。そこで、アルメニアの巨匠といわれる彫刻家のハラッチ・ ナラジアン(Hratch Nargizian)と出会い、1995年から彼の下で修業し、2000年に自身の会社を立ち上げました。

フェアトレード・ゴールドを使う意味


ジュエリーの素材となる金鉱業の恐ろしい現状(奴隷制から性的人身売買まで、様々な搾取)に、かなりショックを受けたシャクティ。たとえば、鉱山労働者が家族を養うのに十分な給料をもらっていないこと。危険と隣り合わせの鉱山で働くことで、多くの尊い人命が失われていること。採掘には水銀やシアン化物など危険な化学物質が使われていて、それが川に流れ、木、魚、植物など害を与えていること。

それは子供達や彼らを取り巻く自然の生態系にも影響を及ぼしていること。働いている職人達は、サプライチェーンの一番下の階層にいる人々で、しばしば労働者としての権利がなく違法に働いていること。そうした問題を解決すべく、彼女はまず2011年、リサイクルゴールドを使用し、その後フェアトレード・ゴールドを購入するようになります。

2015年7月、シャクティ・エレンウッドは、イギリスに本部を置くフェアトレード財団(Fairtrade Foundation)より正式に許可され、フェアトレード・ゴールドのみを使用するようになりました。フェアトレード財団によって認定された鉱山は、フェアトレードの最低価格と割増料金(1kgあたり2000ドル)を鉱山労働者に支払うことが義務付けられます。このプログラムで得た資金は、新しい機器の購入、子供達のための学校の建設、医療の提供、きれいな水へのアクセスの取得に再投資するために使用されます。それは鉱山労働者により多くの経済的安定をもたらすことになります。フェアトレード財団から認可されフェアトレードの基準を満たすと、鉱夫と鉱業との間の商慣行を改善することに一役買うことなります。

シャクティのすべてのジュエリーには、その作品が認定されていることを証明するフェアトレード・ゴールドスタンプが*ホールマークの横に打刻されています。「ダイヤモンドや小さな宝石のいくつかについては、元の鉱山までさかのぼることができませんが、業界がより倫理的になるにつれ、これらも追跡できるようになることを願っています」とコメントしています。

*ホールマークとは:各国の造幣局などで信用がおける機関がプラチナ、金、銀等の貴金属で作られた製品の純度を証明する打刻のこと。裏側にK18YGとかPt900といった印がある。

トップ画像:www.shaktiellenwood.com

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