No.168 沈没船から回収されたゴールドやジュエリーが12月3日オークションへ
BJI ブログ No.168
世界各地から金が発見され、ゴールドラッシュに沸いていた1850年代。
中でもアメリカ・カリフォルニアのゴールドラッシュには30万人が殺到したと言われています。その採掘者や採掘された金を運んでいたのが、木造蒸気船(通称S.S.=Steam Ship)。
嵐によって難破してしまった船もあり、中でも1857年沈没したS.S.セントラルアメリカ号の話は有名です。乗客400人以上の命を奪っただけでなく、何百万ドルもの価値がある大量の金の延べ棒やコインも船と共に沈みました。搭載された金は、銀行が金融危機を回避することを目的としていましたが、その沈没が金融危機の引き金となったと言われています。
難破した船からの回収は120年以上の時を経て1988年から1991年、そして2014年と段階的に行われました。
ところで、引き揚げられた財宝は単純に発見者や回収者の手に渡るわけではなく、海外では裁判によって発見者ではなく船舶の所有会社に権利が渡ることもあります。今回のケースは、1992年回収した会社が保険会社とその相続人と和解し、その後カリフォルニア ゴールド マーケティング グループが、船から回収されたすべての財産の所有権を裁判所から承認されました。
気になる財宝の中でも特に注目されているのが、世界で2番目に古い騎士団である聖モーリス騎士団と聖ラザロ騎士団から贈られた珍しいメダルやバッジ。1991年に海底から回収され、30年もの間安全に保管されてきました。
その他、沈没した船の乗客であったサンフランシスコの宝石商サミュエル・シュリーブが所有していた可能性のあるイニシャル「SS」が刻まれたリング、複数のハート型のリング、カリフォルニア産のゴールドを内包したクォーツのカフスボタンやブローチも極めて貴重なものです。
ジュエリー以外にも、リーバイスの最古のものと推定されるゴールドラッシュ時代の頑丈なジーンズや初期のブルックスブラザーズのアンダーシャツ、小説『モンテ・クリスト伯』の1849年版の挿絵、1850年代の個人用のグルーミング用品や食器、乗客の荷物タグとチケットの領収書類等々、アンティークコレクターにとって垂涎といえるものばかり。アメリカ『ライフ』誌の言葉を借りれば、「アメリカでこれまでに発見された最大の宝物」。それらがついに2022年12月2日、ネバダ州のレノ・スパークス・コンベンション・センターでプレヴューが行われ、3日ホラバード・ウエスタン・アメリカーナ・コレクション(HWAC)社のオンラインでオークションが開催されます。
HWACはアメリカ西部のオークション会社。コインやインゴットをはじめ骨とう品や収集品が専門です。今回280ページからなる限定版のオークションカタログも作成しています。そこには、S.S.セントラルアメリカ号回収作業の未発表イラストも数十点掲載されています。その一部は、”Nemo” という愛称で呼ばれる遠隔操作の潜水艇で探索中に撮影されたものを3Dで再現したものです。
在庫があれば、カタログのコピーは100ドルで入手可能です。2023年2月にもオークション第2弾を開催する予定になっています。
海底には多くの船が沈んでいます。ナショナルジオグラフィックのサイトによると、米海洋大気局(NOAA)のデータベースには、米国の沿岸沖だけでも1万隻以上の難破船が記録されています。しかし、国連教育科学文化機関(ユネスコ)によれば、世界の海には少なくとも300万隻が沈んでおり、中には数千年前の船もあるとのこと。沈没船の中には今回のS.S.セントラルアメリカ号のように財宝を積んでいるものもあります。約600億ドル(約8兆円)相当の貴金属が海底に眠っていると推定する専門家もいるとか。海にはまだまだ人を惹きつけるアドベンチャーロマンがあるようです。
TOP画像出典:www.holabirdamericana.com
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